) 議決権行使の考え方


議決権等行使指図ガイドライン(要旨)

2008年5月1日
日興アセットマネジメント株式会社

日興アセットマネジメントの議決権行使方針

1.日興アセットマネジメントの使命

日興アセットマネジメント(以下、日興AMとする)は、投資家の皆様から運用を委託された資金の中長期的な成長を目指すことがその使命でありますが、株主重視の企業経営の必要性が年々認識されつつある状況の下、投資家の皆様を代表して議決権を行使することによって投資先企業のコーポレートガバナンスに参与することが、長期的観点から投資家の皆様の利益増大に資するものと判断しています。

2.コーポレートガバナンスの基本

株式会社においては、出資者たる株主は自ら直接企業経営を行なうわけではありません。したがって、必然的に経営者の権限濫用の問題や株主利益の侵害の問題が生じます。このような問題を解決するには、消費者、債権者、従業員、取引先、事業所所在地のコミュニティーといった株主以外のステークホルダーと良好な協力関係を確立するとともに、会社の意思決定機構のあり方、会社運営のあり方、および経営機関の監視・監督のあり方を株主利益尊重の方向へと向かわせることが重要になってくると考えています。日興AMでは、会社の意思決定、企業運営、経営機関の監視・監督のそれぞれの場面における株主利益保護の担い手として社外取締役の登用を推奨しています。また、株主等に対して経営情報の十分な開示と説明責任が果たされることも、投資先企業に求めています。

3.議決権行使

投資先企業に対する議決権の行使は、企業価値を増大させ、または企業価値毀損を防止するための重要な手段です。日興AM に課されている受託者責任を果たすためにも、より適切な議決権行使が求められていると自覚しています。議決権の行使にあたっては、独立した立場から専ら投資家(投資信託の受益者および投資顧問契約の顧客を指します)の利益のみを図ることを目的とし、自己または投資家以外の第三者の利益を図るような議決権行使は行ないません。日興AMは、会社のあるべき「コーポレートガバナンス原則」を定め、その原則にしたがって投資先企業の議決権を行使することにより、長期的に株主利益を最大限尊重した経営を行なうよう求めて参ります。

詳細は、こちらをご覧ください。

 


議案

議案内容

行使基準
定款変更議案(一般) 目的(事業目的) 事業目的の拡大:合理的な目的の拡大であれば賛成。
基準日 著しく株主の不利益になる基準日設定には反対。
取締役・執行役・監査役等(役員)の員数 企業規模(時価総額・類似業種内類似企業規模比較・業績・役員報酬等を総合的に勘案し)決定する。
取締役の任期 法定年限より縮小する場合 →賛成
取締役・執行役・監査役等(役員)、会計監査人の責任免除 合理的な説明があり且つ会社法等の法令に基いて設定され、総合的に勘案して会社の利益になる場合 →賛成
取締役・執行役・監査役等(役員)、会計監査人の責任の加重 賛成
事業年度 合理的な説明があり、業績に与える影響が無いまたは軽微な場合 →賛成
決議要件 加重または緩和することについては、その必要性や株主価値を損なうものではないことについて十分な説明がない場合 →反対
法(会社法等)による改正に伴う技術的改正 原則賛成
役員選任議案 取締役・執行役・監査役等(役員)の資格 以下の場合には反対または棄権
(1) 個人的な資質など役員候補として問題があると判断される場合
(2) 役員会の構成上、適性な能力発揮が期待できないと判断される場合
(3) 役員として不適切な行動をとったと判断される場合
社外取締役の独立性 以下の者は「独立性」があるとはしない。
(1) 候補者が会社または子会社の常勤役員または従業員であった者は、独立性があるとはしない。ただし、退職後5年間を経過すれば、独立性があると判断する。
(2) 総議決権の1/3以上を保有する大株主
(3) 主要な取引先企業の常勤役員または従業員
(4) 当該企業と利害関係にある顧問弁護士、会計士、税理士、コンサルタント
(5) 当該企業の取締役の親族
(6) 当該企業と相互に役員派遣をしている場合
業績不振または経営計画・ビジネスプラン未達成の場合において、その不振原因または計画未達成につき合理的説明がなく、その責任を取らない(報酬返上・削減等)場合で、現取締役の再任議案が提出された場合 原則反対

(現取締役の再任対象数が総取締役の過半数を超える場合には反対)
取締役の累積投票選任案 賛成
監査役選任議案 取締役選任議案に準じて行使する。
会計監査人 会計監査人 1. 会社から独立している会計監査人の選任議案は賛成
ただし、行政処分を受けている会計監査人(法人)については棄権または反対
2. 他会社の粉飾決算等を見抜けなかった監査人については反対。
役員報酬議案 報酬決定 1. 以下の条件が全て該当する場合には賛成
(1) 各役員の報酬について個別開示されている
(2) 報酬が業績に連動しており、その計算根拠が明確な場合

2. 以下の場合は原則賛成
(1) 役員報酬について社外取締役が過半数を占める組織が決定する仕組みが確保されている場合
または
(2) 役付役員の報酬が開示され、且つ役員報酬総額が開示されている場合
または
(3) 報酬額について個別報酬は取締役会に委任されている場合でも、その総額について業績連動になっている場合

3. 以下の場合は棄権または反対
役員報酬総額が提示されているものの、業績に連動しておらず合理的な説明がない場合
役員退任慰労金議案 退任慰労金贈呈 1. 以下の条件が全て該当する場合には賛成
(1) 各役員に支給される慰労金の額が個別開示されている
(2) 業績不振、不祥事等による経営責任が無い場合

2. 以下の場合は原則賛成
(1) 慰労金の打ち切り支給案
(2) 慰労金の個別額が取締役会(監査役にあっては監査役会)に委任されている場合で、その総額が株主総会で提示されているか、または「支払支給基準」が明確な場合(ただし、上記1の(2)に該当することを条件)
(3) 上記1の(2)に該当することを条件に、慰労金の個別額が取締役会(監査役にあっては監査役会)に委任されている場合。

3. 以下の場合は棄権
社外取締役(社外監査役)への退任慰労金議案

4. 敵対的買収に備えての役員退任慰労金を支給する議案(ゴールデン・パラシュート)には反対
ストックオプション議案 役員または従業員に対するストックオプション付与 1. 役員に対するストックオプション付与議案については、役員報酬または役員退任慰労金の行使基準に加え、以下の条件も考慮し、総合的に勘案して議決権を行使する。

(1) 税法に従ったプランであるかどうか
(2) 会計上適切な手当てがされているかどうか(費用計上等)
(3) 付与数が合理的な数であり、会社の損益に著しい悪影響を及ぼさないかどうか
(4) 失権等の手続きが確保されているかどうか
(5) 権利行使価格の下方修正条項の有無

2. 従業員については、上記1の(1)~(4)の基準に加え、付与対象従業員の範囲についても考慮にいれ、総合的に勘案して議決権を行使する。

3. 役員・従業員以外の第三者へのストックオプション議案:
以下を考慮して、総合的に勘案して議決権を行使する。
(1) 付与対象者と会社との関係
(2) 付与が労働の対価または報酬の代替である場合、その付与について合理的説明があるかどうか
(3) 付与する場合、当該第三者が権利行使した場合、他の株主の持分の希釈化の程度
(4) ストックオプションの付与条件、行使条件等
資本政策 配当 1. 増配議案には原則賛成
(ただし、会社の財務諸表、経営戦略等を総合的に精査する)

2. 配当を取締役会による決議とする議案については、取締役会における経営執行からの独立性が高いと判断される場合、賛成。
自社株取得議案 会社の財務諸表を総合的に精査した上で、財務体力上問題なく、株主利益が向上すると判断する場合には賛成
優先株式・劣後株式の発行 資本政策上、発行目的が合理的で且つ財務体質の改善または強化を目的とする場合には、賛成。
発行可能株式総数の拡大 法定上限内で発行可能株式総数を拡大について合理的な説明があれば賛成。
第三者割当増資(有利発行)または新株予約権の有利発行 (1) 増資または新株予約権発行による資金使途が明確である場合には賛成
(2) 経営陣の経営権支配を目的とするものには反対
(3) 従業員または従業員持株会に対する新株発行には原則賛成
減資 財務体質改善のためで合理的な減資議案であれば賛成
企業再編 持株会社化 持株会社設立の目的が合理的且つ明確で、企業価値向上につながる説明があれば賛成
委員会設置会社への移行 原則、賛成
会社分割 分割契約書・計画書を精査の上、会社分割の目的が合理的且つ明確で、分割後も企業グループの企業価値向上につながる説明があれば賛成
事業譲渡・譲受 事業譲渡(譲受)価格が合理的且つ妥当であり、独立した第三者(専門家で投資銀行または名声のある評価機関であることが望ましい)によって算定されている場合には賛成
合併 以下が明確になっていれば賛成。
(1) 合併による企業価値のシナジー効果の説明があること。
(2) 合理的な合併比率・合併交付金等の対価が独立した第三者(専門家で投資銀行または名声のある評価機関であることが望ましい)によって算定されていること。
株式交換または株式移転 以下が明確になっていれば賛成。
(1) 株式交換・移転の目的である企業再編についての合理的な説明があること。
(2) 合理的な交換比率・移転比率が独立した第三者(専門家で投資銀行または名声のある評価機関であることが望ましい)によって算定されていること。
新株予約権の発行(有利発行)、種類株式の発行、事業譲渡(クラウン・ジュエル戦略・ホワイトナイト戦略)、第三者割当増資等 企業防衛策
(敵対的買収対抗策)
買収時に備えて、新株予約権または種類株式発行の承認を求める議案(いわゆるポイズン・ピル)には、反対する。

ただし、会社の長期戦略や効率性の脅威となる危険の存在が明らかである場合には、総合的な観点から精査する。


※上記ガイドラインは、平成20年5月1日現在のものであり、今後変更となる場合があります。