第5回「英国版ISAによって投資家の行動に変化が現れる」
英国版ISAによって、英国の投信業界で興味深い現象がおきています。
現地の運用会社の関係者によると、英国の個人投資家が、普通に投資信託を購入する時と英国版ISAを通して購入する時では、その投資行動が異なるそうです。
どのように違うかというと、普通に投資信託を購入する場合、ほとんどの個人投資家は販売員やIFA(Independent Financial Adviser=独立系ファイナンシャル・アドバイザー)などに紹介された商品を購入し、自分自身で商品を選ぶ投資家は少数です。しかしISAを通した場合は、個人投資家が自身の判断で選定した商品を購入する比率が高くなるそうです。
投資信託全体の販売チャネル別シェアをみると、IFAが7割、銀行が2割に対して、個人投資家が自身の判断で投資信託を選定・購入する「直販」はわずか1割になるそうです。(ここでいう「直販」とは、主に日本のネット証券にあたる「ファンドプラットフォーム」というオンラインチャネルと、運用会社からの直接購入のことです。)
しかし、ISAでの販売チャネル別シェアの場合、「直販」のシェアがなんと全体の3分の1を占めるそうです。つまり、ISAを通して投資信託を購入する3人に1人が、販売員やIFAなどからの紹介ではなく、自身で商品を選定して、購入していることになります。
もしかしたら、英国版ISAの制度がわかりやすく、認知度も高いため、普段は投資信託を購入していないものの、ISAを利用して投資信託を購入する人が多いのではないでしょうか。普通に投資信託を購入する客層とISAを通して購入する客層が異なるのであれば、それぞれの投資行動が違ってもおかしくはありません。
ロンドンの街中では、投信会社の広告を多く目にしました。日本では、投信会社の一般人を対象にした広告はあまり見かけないので、とても新鮮でした。ISAにより、自分自身で投資信託を選定して購入する個人投資家が出てきたので、一般消費者に直接ブランドを訴える必要があるのかもしれません。
英国で実際に目にした広告の一例をご紹介します。これらは、ロンドン名物のブラックキャブ(タクシー)を利用した、投信会社の広告です。



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