• 輸出数量の伸びが鮮明に
  • 生産増・意図的在庫の伸びで、日本企業はいよいよ正常化
  • 雇用・賃金・インフレ:正常化へ向かう日本の株式に強気継続

輸出数量の伸びが鮮明に

米国の貿易量の伸び(8月31日付「米国貯蓄率低下で消費改善が続こう」参照)を受けて、日本の貿易量も伸びてきた。ここで重要なことは、貿易金額ではなく貿易数量が伸びたことだ。数量ベースの輸出(為替の影響を除いた「実質輸出」で見る)が、いよいよリーマン・ショック前の水準に戻ってきた。アベノミクス効果による円安基調でも増大しなかった輸出数量が、いよいよ正常化しつつあるといえそうだ。

円安で輸出金額が増えても、輸出企業の経営者は、将来への自信を強めて、設備投資や雇用を増やそうとは、さほど思わないだろう。確かに、帳簿上の売上や利益は増えるが、倉庫の在庫が目に見えて減るわけではないので、設備投資をして生産を増やそうとか、残業を増やしたり、雇用を増やして生産拡大に備えよう、とは思わないだろう。