• そもそも国債の返済リスクが社債より低い理由:徴税権
  • インフレで金利が上昇・価格が下落するとしても限定的
  • 株式などと組み合わせる資産として日本国債は有用

そもそも国債の返済リスクが社債より低い理由:徴税権

日本の財政は、世界的に見て良い状態ではない。しかし、国が返済を先延ばししたり踏み倒したりして、国債を保有する投資家が損失をこうむる可能性は大変低い。そもそも日本の財政が維持可能だとみられる理由は、2016 年5月24日付 KAMIYAMA Reports「日本の財政維持は可能」で説明したとおりだが、今回はもう少し分かりやすい話をしておきたい。

国債の返済が滞るリスクが低い理由は、国の徴税権にある。このことは十分に知られていないと思うが、考えてみれば当たり前のことだ。会社が発行する社債であれば、返済できなくなった時に社員からお金を徴収したりすることはできないし、そのこと自体があり得ない。しかし、国は存続するために税を増やすことができる。会社が倒産したり、住宅ローンや消費者ローンの借りすぎで家計の資金繰りが困難に陥ることと、国の財政が厳しくなることは、まったく別の問題なのだ。まずは、国債が特別な存在であることを知っておきたい。