KAMIYAMA Reports vol. 112

  • 世界の投資家の視線
  • アジアのダイナミズムを確認:中国の成長が背景
  • マニラで見たフィリピンの可能性

世界の投資家の視線

5月14~18日にシンガポールとフィリピンを訪れ、シンガポール、中国、フィリピンなどの企業の戦略担当者やアナリストから、成長戦略などについて幅広くヒアリングする機会を得た。投資家の会議では、シンガポールや香港在住のアジア株式や債券の運用担当者が多かったが、米国や欧州、豪州などからも集まっていた。中国経済の拡大がもたらす成長機会には、引き続き前向きな意見が多かった。貿易摩擦や地政学リスクには重大な注意が向けられていたものの、金利や経済政策を含む経済実態が投資をする上ではより重要、という考えが共有されていた。

米国や欧州の元政府高官などから、最近の貿易摩擦、シリアやイランなどの地政学リスク、さらに米国の政治情勢などについて次々と報告された。総じて、トランプ政権のやり方がこれまでの世界政治の常識などに従っていないという意味で批判的で、予想の困難さを伝えるものであった。