米国の住宅ローン問題と世界の株式市場について
(本コラムは、インベストメントストラテジーグループ、ジョン・ヴェイルの3月14日付フォローアップ・メモを要約したものです。)
米国では、サブプライム・ローンと呼ばれる、信用度の低い顧客向けの住宅ローンを取り巻く環境の悪化が懸念されており、株式相場の下落要因となっています。サブプライム・ローン業界では、既に倒産が見られるほか、さらなる倒産の可能性が高まっているようです。しかし、同業界に資金を供給している多くの米大手金融機関については、かなりの部分が担保で守られています。そして何より重要なことは、既存の住宅ローンの大部分を占める一般の住宅ローンの状況が、引き続き堅調だということです。
弊社では、米国の景気が今年やや鈍化すると考えていましたが、想定よりも鈍化の度合いが少し大きくなる可能性があるようです。それでも、弱気相場や米国の景気後退を予想させるほどではありません。短期的には、株式等のリスク資産に世界的に下押し圧力が引き続き及ぶことでしょう。しかし、だからといって、パニックを想定しなければならないという訳ではありません。なぜなら、世界の景気指標には引き続き良好なものの方が多く、企業の状況も世界的に堅調だからです。
なお、円キャリートレード(円借り取引)の解消が起きているため、短期的に、円は引き続き上昇する可能性が高いとみられますが、1米ドル=110円を超えるような円高になる可能性は低いと考えています。この110円という水準は、日本企業の増益ペースを幾分抑えるとみられるものの、競争力は維持できると考えられる水準です。また、新興国などのリスクが高い市場については、株価の振れがとても大きくなることが予想されます。それでも、われわれは、多くの投資信託のように(新興国市場のようにリスクの高い株式も含めて)、幅広い株式に分散投資を行なっているポートフォリオについて、現在は長期投資の良い機会が訪れていると考えています。
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