投資ってなんだ!?と聞かれれば、引退後に「潤いのあるくらし」を目指すこと、と答えます。なぜなら、“普通に生きる”ことの中に、“投資”が組み込まれていることが正しいと思うからです。日本では、多くの方が“文化的な最低限の生活”を保障されていますので、引退後の「潤いのあるくらし」で消費する(お金を使う)ために、無理のない範囲で、投資はしておいた方が良いと思うのです。

投資は「お金を持っている人」がやるものじゃないの?

 投資は「お金がないから」「お金持ちじゃないから」やらない、とよく耳にします。でも、お金持ちになってから投資するというのはちょっと変ですよね。投資は、お金が余っている方の遊びではなく、ご自身が齢を取るなどの理由で働けなくなる引退後に「潤いのあるくらし」を目指すためにある、と捉えた方が適切ではないでしょうか。

 資金に余裕がない、知識がないから投資をやらないということは、もともと資産がある人がそれほど必要がないけれど「趣味」として楽しむもの、と思われているのかもしれません。引退後の「潤いのあるくらし」は誰にでもあったほうが良いと思うのに・・・。

【図表】老後の生活費について

「お金が減るのはいや」「リスクを取りたくない」、でもリスクを取ったほうが良い理由

 誰しも、減っては困る、リスクが取れない、といったお金を貯蓄されていると思います。例えば、食費や生命保険などへの加入、子どもの学費といった必ず必要なお金は、普通預金などに預けられているでしょう。多くの人はすでに将来の生活費や医療費などは、すでに備えつつあるのだと思います。そして、この備えを越えた部分のお金に、“潤い”のために少額からでも働いてもらうのです。

 投資は、引退後の「潤いのあるくらし」、直感的には、歳を取ってから普段とは少し違ったことができる生活をすることを目的に、30、40、50歳代から何をしておこうか、と考えることに始まります。投資で未来の消費を作っていきたいのです。備えを越えた部分は(少し乱暴かもしれませんが)「減っても最悪の事態には至らない」ので、リスクを取っても良いのではないでしょうか。

 世界経済が成長していくと信じるならば、“潤い”部分のリターンの獲得を世界中のビジネスの成功に任せていけるのです。長期的に成長する世界経済や事業は一時的に良くなったり悪くなったりします。これが投資のリスクです。長期の成長を信じるなら、一時的な上下動であるはずの「リスクを取っても良い」と考えられるのではないでしょうか。