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ファンネックス・アセット・マネジメントからのメッセージ

2010年3月9日号最新!
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産業のイノベーションの芽を見つけよう!

話題の映画「アバター」の全世界における興行収入は、1ヵ月あまりで史上最高を記録したそうです。それまでは、同じジェームズ・キャメロン監督の「タイタニック」がトップでしたが、それは1年以上かけて達成したものでした。今回の「アバター」は、どうしてこのような驚異的な数字を記録するほどの人気を博したのでしょうか?

結論からすれば、ふだん映画館へ足を運ぶ人以上の客数が足を運んだということ、つまり、今までDVDで済ませていた客層を取り込んだということになります。キャメロン氏は、3D(Three-Dimensional、3次元の、立体映像)での映像表現のために、自分で開発したカメラシステムを使っています。 1台のカメラ本体に2台のハイ・デフィニション(高精細)カメラを使用することによって、従来の3Dにはなかった“鮮明な奥行き”を表現することに成功したそうです。通常の映画であれば、DVDでレンタルして自宅で見ることができますが、この“鮮明な奥行き”を感じるために、映画館に足を運ぶ層に広がりがみられたのだと考えられます。

インターネットの進展は、ビデオ・オン・デマンドの普及を加速させました。これにより、制作会社がインターネット経由で直接映像をお客様に配信するビジネスモデルが確立され、映画館など、映像の中間流通を行なってきたような企業は収益基盤を失った、と言われてきました。しかしながら、「アバター」の興行の成功を目の当たりにすると、新たな3D映像表現によって「創造的破壊」が行なわれたと受け止めることができるでしょう。「創造的破壊」とは、オーストリアの経済学者であるシュンペーターが、資本主義が発展する過程を「イノベーション」に焦点を当てて使用した言葉で、「古きものを破壊し新しきものを創造して、たえず内部から経済構造を革命化する産業上の突然変異」と定義されています。実際に企業の将来の成長の明暗を分けるのも、景気悪化という逆風に耐えて開発投資を続け、イノベーションを生み出せるかどうかにかかっています。振り返ると、日本で自動車生産が商業化にむけて取り組まれ始めたのも、昭和金融恐慌と世界的な大恐慌の間でした。

さて、2008年秋以降の世界的な金融危機について、最悪期はとりあえず乗り越えたと言われていますが、足元では、危機対応のために実施された積極的な金融・財政政策と、その副作用である資産バブルの発生や財政破綻との綱引きに世界の注目が集まっています。金融危機発生前の欧米金融の繁栄は、他国の資金を取り込みつつ、金融自由化と金融技術革新と借金によるテコの効果(レバレッジと言います)を駆使した信用創造に依存していたと言われています。これによって、企業や家計も潤っていましたが、株式や不動産などへの投資によって生み出される収益が、実体経済の成長率を上回り続けることは、難しかったのだろうと考えられます。

このように金融経済が実体経済の成長からかけ離れて膨張と収縮を繰り返しつつある中でも、製造業では、3D技術を使った製品の開発など“イノベーションの芽”は生まれています。例えば、3D技術は、大手家電メーカーの3DTVだけでなく、複数の光学機器メーカーにおける3Dデジカメや3D内視鏡というように、さまざまな製品に取り入れられ、広がりを見せ始めています。こうしたことを踏まえると、投資家が株式投資において長期にわたって成功する条件は、“イノベーションの芽”を見つけること、そのイノベーションの芽が大きく育つかどうかを徹底的に調べること、勇気をもって決断すること、そして、市場がその成長力や将来像に気付くまで我慢することだと思います。そして、私どもが数年にわたり暖めてきた仮説はゆっくりと実現に向かっていると感じる今日この頃です。

 

シニア・ファンドマネージャー 齊藤 圭子

 

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