『投資力学ノート』 VoL.110 【2010年3月24日】





要る付加価値・要らない付加価値 5



『賢い消費・賢い消費者』その具体例を見てみようと思います。
消費行動による効用の充足に必要な要素の優先順位のあり方の上位に『賢い』と云う形容詞がくるものになります。

「高い品質」は消費者として必ず求めたい要素です。
これまでは「良いものは高い」と云う等式的概念が一般的であったわけですが、それが「高い品質で価格は手頃ないし安い」と云う概念が『賢い消費』にマッチします。

かつてのバブル崩壊後、著名な小売大手のトップがしばしば「今の消費者は安くても買わない、いや、ただでももって行かない」と言っていた事がありました。
「安かろう悪かろう」ではなく「安くて高品質」でかつ「デザイン的に優れている」 と云うことが商品の供給に必要となり、それがアパレルを中心に登場してきます。 製造から販売までを一貫して行い、高い製品力を手頃な価格で提供する『製造小売』の業態がそれです。
世界的にもこの業態が認知をされ拡大を続けています。ファストフードをもじってファストファッションと云う呼ばれ方がされています。

『ナチュラル』と云う言葉も『賢い消費者』に包含されるキーワードのようです。
最近流行のナチュラルな「自然な」ファッションでも、上から下まで一貫して高級ブランド物を身につけるのではなく、ボトムはファストファッション系のジーンズで羽織るものが欧州高級ブランド品と云う組み合わせで「自然さ」を演出する。と云ったものも見られます。

ここで大事な点は「組み合わせ」です。
消費者は何か一つものを大事にする……かつてのブランド信仰の様なものではなく、様々なものを組み合わせて「自然さ」「自分らしさ」を演出する。その為にモノを揃える。と云う消費者が大勢を占めるようになってきています。

「消費のモジュール化、ユニット化」と云うものが個々の消費者の中でいつの間にか生まれてきています。
それはブランドや価格に支配されるのではなく、ある自分が大切にする「イメージ」を持って消費活動を実践していることになってゆきます。

『エコ』『省エネ』等々の様々なイメージがそこに利用されてゆきます。

続く



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