2011年3月11日に起こった東北地方太平洋沖地震に際しまして、ご不幸に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。また、被災された方々が早く落ち着いた生活が取り戻せることを祈念してやみません。当社においても、社内で義援金を募ったりしており、また節電は当然として復興のお役に立てることは何かできないかと模索・行動をしているところです。

ETFの基本をまずは伝えたい

震災の当日は、日興アセットマネジメントのETFセンター関係者は、東京国際フォーラムで東京証券取引所主催の「東証IRフェスタ2011」のETFブースに出展をしておりました。東証IRフェスタはブースの出展と商品説明のプレゼンテーションが柱になっているイベントです。そういったイベントに来場される方はある程度のETFの理解があるという前提でプレゼンテーションを昨年までしてきましたが、最近ではその前提で本当にいいのかと思うようになりました。当社のコールセンターにETFのお問い合わせをいただいた質問の多くが、ETFのそもそもにかかる質問だったからです。その中でもショックを受けた質問は、「証券会社の窓口でETFは取扱っていないのかと聞いたところ、当社では扱っていないと言われた。どこに行けばETFを買えるのか。」ということでした。これを受けて、すぐに当社のホームページのETFのトップページ

● ETFは日本全国どこの証券会社でもお取り扱いしています。●

と入れました。そのような経験から東証IRフェスタ2011のプレゼンテーションでは、これまでよく頂戴した質問、またイベントを予告したホームページで受け付けた質問の回答を織り込むこととして準備しました。そのプレゼンテーションの骨子は次のようなものでした。

<東証IRフェスタ2011におけるプレゼンテーションの内容>

トピック1.ETFの売買の仕方
・証券会社で株式と同じように売買ができること。
・証券会社での口座開設の流れ。
・ETFの購入(銘柄コード、指値と成り行き)について。
トピック2.ETFの投資の仕方
・ETFは短期売買から中長期投資まで対応可能。
・組み合わせ投資例のご紹介。
・分配金を受け取るための最終の買い付け期日について。
トピック3.ETFの仕組み
・発行市場と取引市場の2つの市場があること。
・ETFの価額(市場価格・基準価額・推定純資産額(iNAV))の説明。
・ETFの連動性について。
トピック4.当社ETFのご紹介
・国内株、外国株、外国債券、REITとバランス良く商品を取り揃えていること。

当社ブースにてこのトピックでプレゼンテーションを行ない、15時から二回目のトピック1のためスタンバイをしているところに、東北地方太平洋沖地震の大きなゆれが起こりました。事務局が行なった会場の点検で一部天井が剥落した部分が見つかったため、当日(3月11日)のイベントが途中で中止となりました。また夜になって翌日(3月12日)も中止となりました。投資家の方々のご意見を直接お聞きできる貴重な機会であっただけに中止は残念でしたが、3月12日に会場の撤収作業のために行ってみると、会場の隣のホールには災害から避難していた方々がおられ、そのようなことも言っていられないと反省いたしました。

混乱の中でも活発に取引されるETF

東北地方太平洋沖地震の行方不明の方々の捜索、被災された方々の避難、発電所被災に伴なう電力不足で計画停電、福島第一原子力発電所の事故やそれに関連して食物・水の放射線汚染の問題が現在進行中で、予断を許さない状況が続いています。東京証券取引所では関係者の多大な努力で市場が閉鎖されることもなく取引が継続されています。震災後の株式市場の値動きはジェットコースターのようでもありますが、その中でもETFの値付きがよくなっているように見受けられました。特に個人投資家の間では日経225やTOPIXのETFは売買が盛んであり、指定証券会社によるETFの追加設定も入ってきています。また、ニューヨーク市場に上場している代表的な日本株のETFは、震災発生後、急激に売買が増えて、震災後1週間で800億円くらいの設定が入っています。ETFの値動きの分かりやすさが、こういった市場の混乱時には評価されて投資家に利用されているのかもしれません。また、エジプトでは民主化運動による混乱のため1月30日から3月22日まで市場が閉鎖されていましたが、市場再開の当日、長期の市場閉鎖にも関わらずエジプト株の取引が成立したのは、ニューヨーク市場に上場しているエジプト株のETFの取引が継続されていたお陰なのではと思います。このニューヨーク市場のエジプト株のETFの価格によって中断していたエジプト市場の株価形成が容易になったような印象を受け、ETFは闇夜の中の市場の灯明のようなイメージを持ちました。

今できることを地道に伝えETFを普及させる

ただ、あまりETFに馴染みのない方にこのETFの説明をするのは、いつも難儀します。「ETFは、上場している指数に連動する投資信託で、株のように売買することができます」というのがよく聞く説明です。先日、このフレーズを借用して説明する機会があったのですが、なかなか相手の腑に落ちなかったようです。この説明の中で、「上場」「株」「売買」という単語は問題ないと思うのですが、「投資信託」「指数」は普及しつつあるものの、まだ一般的な単語ではないのかもしれません。「投資信託」「指数」の単語を避けて、「上場インデッスファンド」と言ったら当社ETFのブランド名になってしまいます。「上場ファンド」や「指数連動上場ファンド」、株と同じように取引所で売買できるのであるから、大胆にも「指数株」「指数連動株」「インデックス株」と表現することも考えたりしましたが、法的に性質が違うから「○○株」といっては駄目というおしかりも受けそうです。短く簡潔に分かりやすく...ETFに馴染みのない方にも腑に落ちる説明というのは、なかなか難しいもので、ETFの新商品の開発時にも匹敵する程、解決は大変だと思います。ただ、少しずつでも地道にお客さまに伝えていこうと思います。

また、うれしいことがあったのでお伝えしたいと思います。ほんの少しだけ開催されたこの東証IRフェスタ2011で、平日にもかかわらず、当社のブースに立ち寄ってくださった女性から、3月8日に上場したMSCI All Country Index ex. Japanに連動をめざすETF「上場MSCI世界株(1554)」について、「このETFを待っていた。日興アセットは良いETFを作るので楽しみ」とのお言葉を頂戴しました。ETFの開発者としては大変名誉なお言葉で、大変励まされました。

日本のETFの普及・発展に商品の開発だけでなく、説明にも工夫・改善に取り組んでいきたいと思います。引き続き日興アセットマネジメントのETFをよろしくお願いいたします。