日興AMスタッフによるラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)米国リート視察レポート



安永哲次 日興アセットマネジメント資産運用サポート部「お客さまからは「リートってよく分からない」と言われるんです。でもこのファンドはこんな風に、上場している「リート証券」を売買しているので、株価が企業業績を映すように「リート法人」の経営状態を見極めることが大事なんです。」 先進国には上場リートが約370社あります。(2010年10月末現在)
注)本資料では、一般に不動産投信と呼ばれる「リート」を「リート証券」と呼んでいます。

そこでラサール社の協力を得て、米国の「リート法人」を実際に訪問してきました。行って話を聞いてみると、ずいぶんと印象が違いました。


  1. 最初にまとめ
  2. 視察リートその1
  3. 視察リートその2
  4. 視察リートその3
  5. 取材を終えて

最初にまとめ 米国で聞いて見てきて分かったこと 物件の価値を高め、維持する「バリューアップ戦略」にリート法人各社の技が光る!

  • 各社とも、「市場の平均空室率など関係ない」と言っていたのが印象的だった。リート法人各社は、それぞれの地域に合わせ、「いかに空室率を下げて、いかに賃料を高めるか」を考え工夫をしていた。
  • 日本で見聞きする米国不動産に関するニュースはまだ暗いものが多いが、訪問した個別のリート法人の足元の業績や見通しは明るく、そのギャップに驚いた。ファンドを運用するラサール社はそうした優良リート法人を選別して投資しようとしているのだろう。

「地域に合わせ物件価値を高めるリート各社のバリューアップ戦略」ラサール社の協力を得て米国のリート法人3社に訪問し、彼らが投資している20件以上の物件を見学してきました。その一部を紹介します。

視察リートその1 ボストン・プロパティーズ

マサチューセッツ州に本拠地を置くオフィスリート法人の大手。
ボストン(本社)のほか、ワシントン、ニューヨーク、サンフランシスコに物件を保有しています。このうち、ワシントンとニューヨークに行ってきました。

ボストン・プロパティーズ(ニューヨーク)

ボストン・プロパティーズは、ニューヨークのミッドタウン地区に8物件を保有。なかにはシティ・コープビルやGMビルなど、ミッドタウンを代表するオフィス物件も。

物件の取得にあたって、同社では「バリューアップできるか」を重要視しています。取得後もただ保有するだけではなく、バリューアップした後に売却した物件も3件あるといいます。資本の有効活用の観点から、「これ以上バリューアップできない」と判断した物件は、売却することも重要な戦略の1つになっているのです。

空室率の低さは、ニューヨークでも確認できました。ミッドタウン地区の平均空室率が9・3%であるのに対し、同社の物件では2~3%とのこと。その秘訣について聞くと、(1)良いロケーションのビルを保有(2)テナントの誘致に尽力(3)テナントの要請(改装など)に寛容(4)リート法人の信用力(5)賃料設定が高すぎない、という5つの理由が返ってきました。
ボストン・プロパティーズ調べ

図:視察リートその1 ボストン・プロパティーズ(ニューヨーク)

ボストン・プロパティーズ(ワシントン)

地域に特化した物件戦略により、空室率の低い点が大きな特徴となっているボストン・プロパティーズ。
事実、ワシントン地域のオフィスの空室率は10~12%となっていますが、同社が保有するオフィスでは1%程度となっています。空室率が低い理由は「テナントへの積極的な売り込みと、良好な関係の構築」にあるそうです。

ワシントンD.C.といえば、米国の首都。政府関連のオフィスや企業が多数見られました。また、法律事務所の需要も多く、彼らが好む改装を実施する必要があります。

ワシントン地区は、ビルの高さ制限が厳しく供給面積が限られるため、賃料が高い水準で安定しています。

また視察した建設中の物件も法律事務所向けに中を吹き抜け構造にし、ガラスエリアを増やし、個室を多く取れる改装を実施していました。
ボストン・プロパティーズ調べ

図:視察リートその1 ボストン・プロパティーズ(ワシントン)


視察リートその2 フェデラル・リアルティー・インベストメント・トラスト(ボルチモア)

小売・商業用物件に特化したリート法人。
メリーランド州、バージニア州、ワシントンD.C.に物件を保有しています。

フェデラル社はレバレッジ(自己資本に対する負債の比率)が低く、財務内容も良好。会社の運営自体が保守的なので、「市場環境が悪い時ほど、組入比率を高める銘柄」だそう。比較的小さなリート法人ですが、43年連続で増配を続けている優良銘柄です。
(1)人口密度が高い地域(2)平均所得が高い地域(3)競争が激しくない地域を探して物件を購入するのが同社の戦略。さらに複数店舗を購入し、再開発を行なうことで物件価値の向上を図っています。見学したベセスダ・ロウ地域では、17年かけて広範囲にわたり丹念に物件取得を行ない、一大ショッピング街を形成していました。イメージとしては、東京の表参道全体を保有している感じです。

図:視察リートその2 フェデラル・リアルティー・インベストメント・トラスト(ボルチモア)


視察リートその3 ボルナド・リアルティー・トラスト(ニューヨーク)

全米第3位の規模を誇るリート法人。
オフィス60%、小売40%の複合リート法人です。ニューヨークとワシントンD.C.に物件を保有しています。

物件取得にあたっては、良い立地を選びますが、賃料は市場の平均以下の物件に好んで投資しています。改装によってバリューアップが図れるためで、テナントの更新のタイミングごとに賃料値上げができるよう、そうした戦略をとっているそうです。

改装にも工夫をこらしていて、これまでは法律事務所が好むような「個室重視型」が人気でしたが、最近のニューヨークでは、みんなが集まって働く「オープンスペース型」が流行しており、それぞれのニーズに応えています。「個室重視型」では、ビルの真ん中にエレベーターや廊下を設置し「角部屋」を多く取れるようにします。
一方、「オープンスペース型」では、ビルの端にエレベーターを設置する、といった具合です。

また、テナント誘致にも工夫が見られます。例えば、5番街の角地にあるビルでは、それまで1階にあったシティバンクを退去させ、H&M(衣料品)を入居させるなど、収益性の高いテナントの誘致に力を入れています。ちなみにこのH&M店舗は全米で初の出店で、誘致に当たってはスウェーデン本社まで直接交渉に出向いたそうです。

図:視察リートその3 ボルナド・リアルティー・トラスト(ニューヨーク)


取材を終えて

写真:安永哲次 日興アセットマネジメント資産運用サポート部このレポートで紹介できたのは、米国のリート法人が投資する物件のほんの一部ですが、それでも、リート法人各社では、私たちが想像している以上に、物件価値を高め、賃料アップに向けた努力がなされていることがおわかりいただけたでしょう。
「リートファンドに投資をする」ということは、そうしたリート法人が発行する「リート証券」を選別して投資をすることです。大切なのは、個々の不動産物件というより、リート法人そのものの実力やノウハウで、今回の視察でリート法人各社のスタッフに実際の話を聞けたことは貴重な経験となりました。
「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」は、ラサール社がリート法人の実力を見極めて、金融市場に上場している「リート証券」に投資を行なうファンドです。
ラサール社が運用会社として、各リート法人の経営力や財務体質を分析し、その評価に比べてリート証券の価格が割高か割安かを判断するために、リート市場をつねに注視しています。
ボルチモアのラサール本社でミーティングに参加しましたが、50名を超えるスタッフがリート市場のプロとして熱心に働いている姿を垣間見ることができ、日本のお客さまにファンドを紹介している者として安心するとともに、頼もしく感じました。
ハードな日程での米国訪問でしたが、やはり「米国不動産市況」といった平均値の話だけでは判断してはいけない。個々のリート法人を見ていく必要があると感じました。

写真:ファンドを運用するラサールインベストメントマネージメント(セキュリティーズ)本社(ボルチモア)で。50名を超えるスタッフを擁し、情報力を生かしたボトムアップリサーチで優良リート法人を選別している。ファンドを運用するラサールインベストメントマネージメント(セキュリティーズ)本社(ボルチモア)で。50名を超えるスタッフを擁し、情報力を生かしたボトムアップリサーチで優良リート法人を選別している。

2010年11月作成


  • ※当該銘柄の売買を推奨するものではありません。
  • ※当該銘柄については将来の組入れを約束するものではありません。
  • ※銘柄名は日興アセットマネジメントが信頼できる情報を基に和訳したものであり、正式名称と異なる場合があります。
  • ※当資料は、日興アセットマネジメントが「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」の投資信託説明書(交付目論見書)を補足することなどを目的とし、投資家の皆様に当ファンドへのご理解を高めていただくために作成した販売用資料です。掲載されている見解は、当資料作成時点のものであり、将来の市場環境や運用成果などを保証するものではありません。