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2015年11月9日

Vol.1034 金融資産の「収益性」への意識の高まり
~「株式文化」が根付く契機に~

日本の家計の金融資産残高は2015年6月末時点で前年比+72兆円(+4.4%)の1,717兆円と、4四半期連続で過去最高を更新しています。年間での残高増加額の内、27兆円が資金の純流入によるもので、残りの45兆円は円安や株価上昇などに伴なう評価額の上昇(うち株式・出資金34兆円、投資信託6兆円など)によるものです。なお、残高の内訳(左下図参照)は、現金・預金が52.0%と過半を占めるのに対し、株式・出資金および投資信託といったリスク資産の比率は16.3%にとどまり、米国(現金・預金:13.2%、株式・出資金および投資信託:47.5%)やユーロ圏(それぞれ、33.8%、26.2%)の状況*と比べ、日本の家計の安全志向ぶりが依然、顕著です。

*米国は15年6月末時点、ユーロ圏は同年3月末時点

日本の家計の安全志向の背景には、デフレの影響が大きいと考えられます。右下図のとおり、1990年以降、デフレ傾向が強まるに連れ、家計は金融商品選択時に「安全性」を重視する姿勢を強めました。結果的には、デフレ環境下では資産を現金・預金にとどめておくことが合理的な選択肢となりました。しかし、足元では、デフレ脱却を確実なものとすべく、アベノミクスの下で積極的な金融緩和が進められていることなどから、資産を現金・預金にとどめたままでは、物価上昇により将来、その価値が目減りする恐れがあります。こうした中、政府は、デフレ脱却を視野に、家計の金融資産や公的年金の運用資金が今後、目減りを回避し、資産形成や成長資金の提供に向かうよう、①少額投資非課税制度(NISA)の導入・拡充、②公的年金資金の運用の見直し、③企業価値や資本効率の向上などを企業に促す制度の導入・強化などを行なっています。

エネルギー価格下落の影響などから、物価は足元で再度、前年比小幅のマイナスとなっているものの、今後、物価上昇が定着に向かえば、家計が金融商品の選択にあたって収益性を重視するようになるとともに、政府の上述の施策にも支えられ、リスク資産への投資が拡大する可能性が高まると考えられます。また、その際に、日本企業の収益性や資本効率の向上が進めば、日本でいよいよ「株式文化」が根付くと期待されます。

【図表】[左図]家計の金融資産の主な内訳(1977年~2015年*)、[右図]家計の金融商品選択の基準と物価*の推移(1977年~2015年) グラフを拡大

※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。

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