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2018年1月15日

Vol.1308 NAFTA再交渉や大統領選挙だけでなく、
治安状況なども注目されるメキシコ

メキシコ・ペソは、2017年1月に対米ドル、対円で底打ちした後、半年程度は反発したものの、同年秋以降は再び軟調に推移しています。この背景として、米国、カナダ、メキシコの3ヵ国によるNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉の行方や、今年7月1日のメキシコ大統領選挙を巡る不透明感などが挙げられます。

米国の対メキシコ貿易赤字などを問題視するトランプ米大統領の要求を受けて始まったNAFTA再交渉については、今年3月までの交渉妥結を目指し、既に5回、会合が開かれ、今月23~28日には6回目の会合が予定されているほか、2月にも7回目の会合を開く可能性が報じられています。ただし、自動車の関税をゼロとする条件として、域内での部材調達比率を定めた「原産地規則」の厳格化や、協定を5年毎に見直し、更新しなければ自動的に廃止とする「サンセット条項」の導入といった米国の提案に対して、カナダやメキシコが強く反発しています。トランプ大統領は、米国にとって望ましい結果が得られない場合、NAFTA離脱を厭わない姿勢を示していますが、米産業界が離脱は致命的な誤りとして強くけん制しており、拙速な行動は回避されるとみられるものの、交渉難航が続く場合、メキシコ大統領選挙後に仕切り直しとなるなど、不透明感が続くことも考えられます。

メキシコ大統領選挙については、治安悪化や汚職、物価上昇などを背景に、ペニャニエト大統領(再選不可)率いる与党に対する国民の批判が強く、現時点の世論調査では、新興左派政党MORENA(国家再生運動)から立候補している、元メキシコシティ市長、ロペスオブラドール氏が他をリードしています。しかし、ばらまき型の財政政策や、現政権が進めてきた構造改革の転換など、大衆迎合的な政策を掲げる同氏が当選する可能性が高まるほど、市場では政策への懸念が強まり、メキシコ・ペソ売り圧力が増す可能性があります。

また、同国では治安悪化が深刻で、経済成長の足かせになるとの見方が拡がっています。エコノミストなどの専門家の中には、NAFTA再交渉や大統領選挙の行方よりも経済成長に深刻な影響を与えるとの見解もあり、治安の行方にも注意が必要なようです。

【図表】[左図]メキシコ・ペソの推移、[右図]メキシコの実質GDPと金利・物価の推移 グラフを拡大

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