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2018年1月29日

Vol.1313 ルラ氏の大統領返り咲きの可能性は大きく低下
~政治は依然、不透明だが、景気は回復方向~

ブラジルでは、収賄と資金洗浄の罪に問われているルラ元大統領に対して、有罪との第一審の判決の支持と量刑の引き上げ(禁錮9年6ヵ月→禁錮12年1ヵ月)との判断を、1月24日に第二審が全会一致で下しました。これにより、同氏が10月の選挙で大統領に返り咲く可能性が低下したとして、ブラジル株式相場が最高値を更新したほか、ブラジル・レアルも大きく上昇しました。

2010年までの2期8年にわたり大統領を務めたルラ氏は、低所得層向けの給付金拡大などにより貧困を削減したほか、資源価格の上昇という追い風などもあり、経済を高成長に導きました。また、2014年のサッカー・ワールドカップや16年のオリンピックの招致にも成功し、ブラジルの一時代を築いたことなどから、低所得層を中心にカリスマ的人気を誇っています。このため、世論調査での支持率は30%台と、これまで他の候補を大きく上回ってきました。しかし、同氏や、その後を継いだルセフ前大統領が、ばらまき政策によって需要を先食いした一方、歳出削減や税制改革などの財政見直しを怠ったことが、足元での財政赤字拡大につながったとされています。そして、市場では、テメル現政権が進めてきた改革の巻き戻しなどを掲げているルラ氏が再度、大統領となれば、大衆迎合的な政策が進む一方で、改革の流れは止まりかねないと警戒されていました。

ルラ氏は、引き続き出馬の意向を示していることから、判決への異議申し立てや上告などを経て、8月15日の期限までに立候補を届け出る可能性が残っているものの、第二審での全会一致の有罪判決という厳しい状況を踏まえると、大統領への返り咲きは難しくなったとみられます。ただし、これまでのところ、同氏以外に有力な候補は見当たらず、大統領選挙の行方は極めて不透明です。また、テメル現政権は、議会の休会が明ける2月に年金改革法案の採決を行なう方針ですが、引き続き、可決に十分な票を集められていない模様で、同法案の扱いが大統領選挙後の新政権に持ち越される可能性が高まっているとみられます。こうしたことから、大統領選挙を含む政治の動きが、今後も市場の不安定要因となることが見込まれます。しかしながら、ブラジルの景気が引き続き回復に向かうと予想されているほか、世界景気の加速見通しなどを背景に商品市況の堅調が期待されることなどは、引き続き、ブラジルへの投資にとっての強気材料と考えられます。

【図表】[左図]ブラジル・レアルと原油価格の推移、[右図]ブラジルの主要指標の推移 グラフを拡大

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