Raku Yomi 楽読(ラクヨミ)

楽しく、楽に読めるマーケットで話題のトピック(不定期)


2018年2月2日

Vol.1316 足元の米ドル安について

米ドルは今年に入り、円やユーロなどに対して下落基調にあります。

その背景には、金融市場で日欧の中央銀行の金融政策正常化観測が高まったことがあります。好調な欧州経済を背景に、ECB(欧州中央銀行)は今年、資産買い入れプログラムを終了するとみられています。そうしたなか、ECB理事会での議論が、市場の予想ほどハト派的(景気見通しに対して慎重)ではなかったことから、正常化観測が高まり、米ドルは対ユーロで大きく下落しました。また、日本銀行による超長期国債買い入れオペの減額や、日銀展望レポートにおいて中長期的な予想物価上昇率についての認識をやや上方修正したこと、黒田総裁の「ようやく物価目標(2%)に近い状況にある」とのダボス会議での発言などにより、日銀の量的緩和縮小観測が高まったことから、米ドルは対円でも大きく下落しました。さらに、米政府機関の一時閉鎖や米政府高官の米ドル安を容認する発言などが、米ドルの下落に拍車をかけました。

足元の米金利をみると、原油高や米ドル安、堅調な米経済などによるインフレ期待の高まりを背景に、上昇しています。一般に金利上昇は通貨の上昇要因となりますが、今回、米金利上昇にも関わらず、米ドルは下落しています。日欧の金融緩和縮小観測が市場でより材料視されていることが背景にあるとみられ、このまま縮小観測が高まり続ける場合、米ドル安が継続する可能性があります。しかし、ECBのドラギ総裁は理事会後の会見で、基調的なインフレ指標は抑制されており「年内利上げの可能性は極めて低い」との認識を示しています。そのため、資産買い入れプログラム終了後も、金利はしばらく低い水準にとどまるとみられます。また、日本の物価は緩やかな伸びをみせているものの、12月の消費者物価指数(除く生鮮食品)は前年同月比0.9%増で、日銀の物価安定目標(2%)とかい離があります。そのため、日銀は現在の金融緩和政策をしばらく続けると考えられます。

こうしたことなどから、日欧の金利はしばらく低い水準が続くとみられる一方で、米国では、3月下旬にパウエル新議長の就任後初となるFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催され、市場では利上げが予想されています。そのため、米金利は引き続き上昇すると予想され、内外金利差拡大などから、足元の米ドル安はいずれ見直されていくと期待されます。

【図表】[左図]米ドルの推移、[右図]米国・国債利回りの推移 グラフを拡大

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

  • 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。