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2018年2月23日

Vol.1322 ブラジル政府は年金改革法案の採決を断念
~注目は景気動向や10月の選挙にシフト~

テメル大統領は16日、犯罪組織などによる凶悪事件が続発しているリオデジャネイロ州の治安対策の権限を州警察から軍に移管する大統領令に署名しました。そして、連邦政府が州の行政管轄分野に介入している間の憲法改正を禁じる憲法の規定に則り、テメル政権は19日、憲法改正を伴なう年金改革法案の議会採決を断念すると発表しました。

ブラジルでは、世界的にも手厚い年金制度が財政赤字の主な要因となっており、財政健全化には年金改革が不可欠とされています。ただし、国民に痛みを強いる面がある上、今年10月には大統領選挙および議会選挙が控えていることなどから、年金改革法案は採決が遅くなるほど成立が難しくなるとみられていました。それにもかかわらず、採決は昨年から先送りとなり、議会で十分な支持を得られないままであることなどから、テメル政権下での成立は困難との見方が拡がっていました。そのため、採決断念との発表後も市場に目立った動きはありませんでした。また、同法案に代えて、政府が15の優先政策を示し、改革姿勢を堅持したことは市場で歓迎されるとみられます。その中でも特に、国営電力公社ブラジル中央電力の民営化や税制の簡素化については、実現の可能性が高まったと考えられます。また、テメル政権下での成立は難しいとみられるものの、中央銀行の独立性の保証が新たに掲げられたことは、次期政権での実現への期待につながると考えられます。

なお、ブラジルでは、物価上昇率の鈍化やそれに伴なう継続的な金融緩和などを背景に、家計部門が明るさを取り戻しつつあります。また、世界経済が成長加速に向かう中、輸出が恩恵を受けているほか、企業の景況感も堅調に推移していることなどから、景気回復が続くと予想されています。このため、年金改革は先送りとなったものの、経済指標や国際収支の改善、海外からの直接投資の拡大などが、ブラジル・レアルを支える要因になると考えられます。また、4月には主要政党が大統領選挙に向けて候補者を最終決定するなど、本格的な選挙モードに入るとみられ、候補者の顔ぶれや、年金制度などの改革に対する各候補の姿勢、さらに、世論調査の動向など、選挙戦の行方も、ブラジル・レアルの行方を左右する要因として注目されます。

【図表】[左図]ブラジル・レアルと原油価格の推移、[右図]ブラジルの主要指標の推移 グラフを拡大

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