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2018年3月2日

Vol.1325 本日の日本株式市場の下落について
~米保護主義の高まりを市場は懸念~

3月2日の日本株式市場では、日経平均株価が前日比542円(2.50%)安の21,181円と大きく下落しました。また、為替市場では、投資家のリスク回避に伴ない円(対米ドル)が買われ、105円台後半へ上昇しました。

その背景には、1日にトランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムに追加関税を課すと表明したことを受け、米中などの貿易摩擦の激化や原材料費高騰などへの懸念から、航空・防衛や建機などを中心に米国株式が大きく下落したことがあります。今回の発表に先立ち、米商務省は2月に、鉄鋼とアルミニウムの輸入増で国内産業が弱り、防衛装備品の調達など安全保障上の脅威になっているとした調査報告書を公表していました。WTO(世界貿易機関)の協定では、一方的な輸入制限は禁じられている一方、安全保障が理由であれば、例外扱いできることから、トランプ大統領は今回、鉄鋼とアルミニウムの輸入増が安全保障上の脅威になっているとして、鉄鋼輸入品に対し25%、アルミニウム製品には10%の関税を課す方針を明らかにしました。また、関税により国内雇用が保護されるとしており、今年秋の中間選挙に向けて、保護主義的な貿易政策を打ち出して、雇用創出を支持者にアピールする狙いもあるとみられています。

しかし、自動車や航空・防衛、建設、機械など鉄鋼やアルミニウムの大口ユーザーである業界においては、原材料価格が上昇した場合、雇用はかえって減るとの見方が市場で出ているほか、中国やカナダ、メキシコ、韓国など鉄鋼輸出国が対抗措置に出る恐れも懸念されています。特に、中国の対抗措置によっては、米国の農産物輸出が大きな影響を受ける可能性も指摘されています。

米国の輸入制限の対象国や期間、数量制限など計画の詳細はまだ不明であり、今後、市場や業界の懸念などへの対応策が盛り込まれる可能性はありますが、トランプ政権の保護主義的な姿勢がエスカレートして不確実性が高まるようであれば、株式市場のさらなる下落につながる可能性もあり、同政権の動向が注目されます。しかし、米国経済は、賃金上昇や大型減税などによる消費拡大などにより、今後も堅調に推移するとみられており、好調な企業業績などを背景に、株式市場は次第に落ち着きを取り戻すと期待されます。

【図表】[左図]日本・米国の株価指数の推移、[右図]米ドル(対円)の推移

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

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