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2018年4月11日

Vol.1333 最近の世界株式の不安定な動きと
世界経済について

2月以降、米長期金利が急上昇したことなどから、緩やかな景気回復と低金利の併存、いわゆる「適温相場」の終わりが意識され、世界の株式市場は不安定な動きとなりました。その後、米長期金利の上昇は一服したものの、米中の貿易摩擦への懸念や米ハイテク企業を巡る情報流用問題などを背景に、株式市場はボラティリティの高い状況が続いています。

ただし、世界経済に目を向けると、米国は雇用市場の堅調が続き、減税と政府歳出の拡大が経済成長を押し上げるとみられています。また、ユーロ圏は旺盛な外需や設備投資をけん引役に経済成長の勢いが続いており、日本は雇用市場の逼迫が、個人の所得環境の改善につながりつつあります。こうしたことなどから、多くの国・地域において、労働力不足が顕著となっており、労働生産性を向上させるために、企業の設備投資が堅調に推移するとみられています。世界経済の成長と相関が比較的高いとされる、世界の企業景況感を示すグローバルPMI(総合)は高水準が続いており、3月は不安定な株式市場や貿易摩擦への懸念などから53.3へ低下したものの、中立水準の50を上回る水準で上昇トレンドが続いていることから、世界経済の減速を示唆するような状況にはないと考えられます。

今後のリスクとして、米国の保護貿易政策がさらにエスカレートし、中国などの報復措置を招いて、世界的な貿易戦争になることが挙げられます。しかし、貿易戦争が生じれば、当事国の輸出産業を中心とする事業者や消費者にとって相当のデメリットが生じるほか、中国の習国家主席は米中の貿易摩擦について対話を重視する姿勢を示していることなどから、米中が譲歩に至る余地があると考えられます。また現状、米中の追加関税の対象は、米国や中国の名目GDP(16年:米国19兆米ドル、中国11兆米ドル)に比べると、規模が小さい水準に留まっており、経済への影響は限定的とみられています。さらに、米国は11月に中間選挙を控えており、トランプ政権は株式市場の混乱を望んでいないとの見方もあります。こうしたことなどから、保護貿易政策の強化は先行きのリスクではあるものの、いずれ妥協点が探られるとみられ、世界経済の成長を背景に企業業績の好調が確認できれば、株式市場は落ち着きを取り戻すと期待されます。

【図表】[左図]世界株式のパフォーマンスとEPSの推移、[右図]GDP成長率とグローバルPMIの推移 グラフを拡大

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

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