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2018年4月13日

Vol.1335 再度、安値を更新したトルコ・リラ
~大統領や政府の選挙優先の政策が弊害に~

トルコでは、景気は回復・拡大し、足元ではむしろ過熱気味な状況にあり、経常赤字の再拡大につながっているほか、インフレ率が高水準のままとなっています。こうした中、足元でトルコ・リラが再び大きく売り込まれています。

2017年の経済成長率は前年比+7.4%と、4年ぶりに7%を上回り、新興国の中でも高水準となりました。この背景には、主要輸出先であるEU(欧州連合)の景気回復や、前年に発生したクーデター未遂事件の影響の反動に加え、景気刺激策などを追い風とした内需の拡大があります。同国では、2019年11月に実施予定(前倒しの可能性も)の大統領選挙および総選挙での勝利を確実なものとすべく、政府・与党AKP(公正発展党)が景気刺激策を繰り返し導入しています。そして、刺激策に支えられた内需に加え、原油価格上昇の影響もあり、経常赤字は対GDP比で5%台まで拡大しています。さらに、インフレ率は2017年11月に前年比13%弱まで上昇し、その後、やや低下したものの、足元でも10%台と、中央銀行の目標水準(5%±2ポイント)を大きく上回っています。物価上昇に対して、中央銀行は金融引き締めを行なっているものの、選挙での勝利を目指すエルドアン大統領があからさまに利下げを要求する中、これまでの対応は積極さを欠くものとなっており、中央銀行に対する市場の信頼が低下しています。

トルコは経常赤字体質で、海外資金への依存度が高い国です。このため、海外資金の調達に支障が及んだり、中央銀行に対する信頼が失われるなどして、投資家のトルコ・リラ離れが一段と進むようなことになれば、資金調達コストの上昇や物価上昇率の加速などにより、厳しい状況に追い込まれる恐れがあります。同国の持続的な成長に向けて現在、必要と考えられるのは、票狙いの景気刺激策や利下げ要求ではなく、景気や物価上昇の過熱を抑え、ひいては通貨安を食い止めるための積極的な利上げです。悪材料が続く中、トルコ・リラは年初から対円で12%弱の下落と、ロシアのルーブルと並び、新興国通貨の中でも下げが大きくなっています。それだけに、選挙を睨んでの大統領や政府・与党の政策などの軌道修正までは難しいとしても、中央銀行が通貨安や高インフレに毅然とした対応をとることができれば、トルコ・リラの急反発も考えられます。まずは、25日の中央銀行の政策会合の行方およびその前後での大統領の発言が注目されます。

【図表】[左図]トルコ・リラと物価の推移、[右図]トルコのGDPおよび経常収支の推移 グラフを拡大

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