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2018年4月17日

Vol.1336 海外上場テクノロジー大手の
中国本土市場への回帰に熱視線

海外に上場している中国テクノロジー大手の中国本土市場への上場の行方に注目が集まっています。

3月30日、中国政府は、 CSRC(中国証券監督管理委員会)がまとめたCDR(中国預託証券)の試験的な導入の枠組みを承認・公表しました。DR(預託証券)とは、ある国で発行されている企業の株式を海外でも流通させるために、その企業の株式を銀行等に預託し、その代替として海外で発行される証券のことです。代表的なものとしては、米国株式市場で取引されるADR(米国預託証券)があり、CDRは、この中国版です。今回、政府が一定条件のもとCDRの試験導入を承認したのは、「BATJ(バイドゥ、アリババ、テンセント、JDドットコム)」など、海外上場の中国のテクノロジー大手の誘致を狙ったものと考えられます。中国企業が上場先を選ぶ際、これまでは、資金調達のしやすさを主な理由として、海外市場を選ぶケースがありました。また、中国本土市場や香港株式市場では、普通株よりも議決権の多い「種類株」などを発行する企業について上場が認められていません。ハイテク企業の場合、種類株を発行しているケースが多く、例えば「アリババ」は、2014年の上場の際、この種類株も理由となり香港市場ではなく米国市場を選んだと言われています。「アリババ」をはじめ、海外上場の中国の主なテクノロジー企業の株価はここ数年で大きく上昇しました。しかしながら、資本規制の関係で、中国本土の個人投資家は、米国上場の中国企業の株式に投資することは困難となっていました。そのため、CDRの試験的導入の背景は、中国を代表する優良企業の成長の果実を、中国の個人投資家に分配したいといった政府の意向もあったと考えられます。

3月上旬に開催された全国人民代表大会(中国の国会に相当)において、今年の政策方針のひとつとして「イノベーション型国家の建設を加速する」というテーマが掲げられました。こうしたことに加え、CSRCの副主席が、ニューエコノミーもしくはユニコーン企業(非上場で企業規模の大きい企業)について、CDRの発行がまもなく解禁されると発言したことなどを受け、中国本土市場では、3月下旬から4月初旬にかけて、創業板指数(深セン証券取引所に上場する新興企業の株価の動きを表す指数)の上昇が顕著となりました。足元では、米中間の貿易摩擦激化懸念やシリアを巡る地政学リスクの高まりなどが、株価押し下げ要因となっているものの、今回の中国政府によるCDRの試験導入の承認を受け、成長性の高い企業の本土上場が実現することとなれば、中国本土市場は一段と活性化されるとみられます。同制度実現の行方とともに、海外上場のテクノロジー大手の本土市場回帰の動向は、今後、大きな注目を集めるとみられます。

【図表】[左図]主な株価指数の推移(現地通貨ベース)、[右上図]主な株価指数の騰落率(現地通貨ベース)、[右下図]「BATJ」の上場先 グラフを拡大

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