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2018年4月23日

Vol.1341 トルコの主要選挙は今年6月へ前倒し
~リラは足もとで持ち直しも、注意は怠れない~

トルコでは、来年11月に実施予定だった大統領選挙および総選挙が今年6月24日に前倒しされる方向となりました。通貨リラは、4月に入って最安値を更新したものの、選挙前倒しの発表を受けて、足元では持ち直しています。

同国では、2016年7月に起きたクーデター未遂事件の影響の反動や景気刺激策などを背景に、2017年に経済成長率が4年ぶりに7%台に高まった後だけに、景気は今後、鈍化に向かう見通しです。また、内戦が続く隣国シリアへの対応などを巡り、外交面でのリスクが高まっています。エルドアン大統領は、これらの状況が時間の経過とともに自身や与党に不利に働きかねないと考え、選挙の前倒しを決断したとみられます。なお、前倒しは、大統領が党首を務める与党AKP(公正発展党)と連携する右派政党の党首の呼びかけを機に決まりましたが、選挙日程は呼びかけよりさらに2ヵ月も早められました。同国は、クーデター未遂事件以降、非常事態宣言下にあり、大統領を中心に強権的な政治が行なわれ、反政府勢力などへの締め付けが厳しくなっています。さらに、選挙が急遽、大幅な前倒しとなることなどから、野党の選挙対策が十分に整わない可能性が高まり、エルドアン氏が大統領の座を、AKPは第1党の座を、維持するとの見方が現時点では有力です。また、2017年4月の国民投票で憲法改正が承認され、実権大統領制への移行が決まっており、今回の前倒し選挙を経て移行が実現します。このため、強権的な政治は続くとみられるものの、大統領や政府が議会を通さずに新法を成立させたり、権利や自由を制限・停止したりすることができる非常事態宣言が選挙を経てようやく解除されると見込まれることは、明るい材料と考えられます。

さらに、憲法改正の是非を問う国民投票の際と同様に、前倒し選挙に向けて、今後、大統領や政府が通貨リラの安定に配慮するようになるとみられ、通貨安の阻止に向けた金融引き締めへの期待が高まっています。こうした中、4月25日の中央銀行の金融政策委員会の行方が注目されますが、引き締めが中途半端なものにとどまれば、市場の失望につながる可能性も排除できません。また、積極的な金融引き締めが行なわれる場合でも、大統領や政府が、国民からの支持の取りつけなどに向け、反米などの排他的な感情を煽るような言動を今後、エスカレートさせる場合などには、市場心理の悪化につながることも考えられるだけに、注意を怠れません。

【図表】[左図]トルコ・リラと物価の推移、[右図]トルコの主要金利の推移 グラフを拡大

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