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2018年4月26日

Vol.1343 トルコ中央銀行は金融引き締めをやや強化
~リラを取り巻く環境には依然、不透明感も~

トルコ中央銀行は4月25日、昨年12月以来となる金融引き締めを金融政策委員会で決定し、事実上の上限金利である後期流動性貸出金利を0.75ポイント引き上げ、13.50%としました。市場予想を0.25ポイント上回る引き締めを受け、トルコ・リラが買われ、対米ドルで一時、約1%上昇したものの、その後、上げ幅を縮めました。

トルコの消費者物価の上昇率は2017年以降、5%±2ポイントという中央銀行の物価目標レンジを大きく上回っており、物価の安定という観点からは積極的な金融引き締めが必要不可欠と考えられます。しかし、2019年に予定されていた大統領選挙および総選挙という重要な選挙を視野に、景気浮揚に固執するエルドアン大統領が金融引き締めを非難したり、利下げを強く要求するなど、「口撃」を繰り返す中、中央銀行の対応は限定的なものにとどまってきました。今回、中央銀行は声明で、高水準の物価上昇率やインフレ見通しが、輸入物価の上振れによってさらに高まるリスクが増したとして、金融引き締めを決定したと表明しています。輸入物価の上振れは、原油価格の上昇が続く一方で、トルコ・リラが今年に入って再度、売り込まれたことが主な背景です。また、前述の選挙が今年6月24日に前倒しされることが今月に入って急遽、決まり、目先は通貨安などの市場の不安定化や物価上昇の加速などを避けたいとの思惑から、大統領も金融引き締めを容認せざるを得ない状況となったこともあり、引き締め幅が昨年12月よりも拡大されたと考えられます。

トルコ・リラは、今年これまで新興国通貨の中でも大きく売り込まれていることもあり、今回の金融引き締めを受け、目先は安定化すると期待されます。ただし、米国で、財政支出の拡大に伴なう国債増発圧力などもあり、長期金利が上昇傾向にあることから、その勢いが増す場合、新興国に流れていた投資資金の引き揚げにつながり、トルコ・リラに再度、売り圧力が及ぶことも考えられます。また、選挙を控え、国民からの支持の取りつけに向け、エルドアン大統領が反米などの排他的な感情を煽る言動をエスカレートさせる場合なども、トルコ・リラ安につながる可能性があります。なお、中央銀行は、引き締め気味の金融政策を維持し、必要とあれば更なる手段を採るとしていますが、次回の金融政策委員会は6月7日と、選挙に近く、積極的な金融引き締めを行ないにくい環境も想定されます。

【図表】[左図]トルコ・リラと物価の推移、[右図]トルコの主要金利の推移 グラフを拡大

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