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2018年5月7日

Vol.1345 長短金利差の縮小が進む米国
~米国の景気後退の前兆なのか!?~

米国債券市場において、10年国債利回りが約4年ぶりに一時3%台となった一方、長短金利差の縮小が続いています。このため、イールドカーブ(利回りと残存年数の関係を表す利回り曲線)のフラット化が進んでおり、米国の景気後退の前兆との見方がでています。

一般に、イールドカーブのフラット化は、景気過熱局面から減速局面にかけて、中央銀行が景気の過熱を避けるために政策金利を引き上げる一方で、景気が転換期を迎えて長期金利の上昇が鈍い場合に進むことがあります。米国では過去に、景況感を反映しやすい長期金利よりも金融政策の影響を受けやすい短期金利が高い逆イールドが起きると、その数年後に景気が後退したという経験則があり、最近、イールドカーブの動向が注目されています。過去約40年間の長短金利差と米国株式の関係を見ると、逆イールドが起きた過去4回の局面では、株価のピーク時期と重なったことが2回ありました(下記グラフ、逆イールド③と④)。

足元の米国経済は、雇用市場の改善を背景に堅調に推移しており、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ継続によって、短期金利も上昇傾向にあります。その一方で、長期金利は、世界的な低金利環境を背景にした米長期国債への根強い需要に加え、米財務省の中短期債を厚めに発行する方針や緩やかな米インフレ率などを背景に、短期金利に比べて上昇が鈍い状況が続いており、こうしたことが、イールドカーブのフラット化の背景にあるとみられます。

米国経済の先行きについては、好調な企業業績や旺盛な労働需要のほか、今年から実施された税制改革による減税の恩恵が本格化することで、個人消費が加速するとみられています。また、過去の逆イールドと株価のピークが重なった局面(逆イールド③と④)では、短期金利が5%を超え、金利上昇がピークアウトした後に株価の下落局面を迎えており、現在の短期金利が2%台で、利上げ継続が見込まれる状況とは異なると考えられます。こうしたことなどから、足元の米国債券市場では長短金利差の縮小が進んでいるものの、米国の景気後退が迫っている状況ではないと考えられます。

【図表】米国の長短金利と株価指数の推移 グラフを拡大

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