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2018年5月10日

Vol.1348 米国がイラン核合意の離脱を表明
~原油価格は上振れしやすい展開に~

トランプ米大統領が8日、イラン核合意から離脱し、イランに対して最高レベルの制裁を行なうと発表したことで、今後の動向に世界の注目が集まっています。

イラン核合意とは、イランが進めてきた核開発関連活動を制限する代わりに、主要国による対イラン制裁を解除し、同国の原油輸出などを解禁するというもので、2015年に米英独仏中露の6ヵ国との間で取り決められました。しかしながら、トランプ氏は、2016年の大統領選挙中からイラン核合意を批判し、離脱を公約に掲げていました。今年4月下旬以降は、欧州各国首脳による説得にもかかわらず、同氏が離脱の可能性を強く示唆したことから、市場では、中東情勢の悪化などに伴なう先行き不透明感が嫌気されました。加えて、世界第4位の原油埋蔵量を誇るイランの原油輸出の大幅減などが懸念されたことから、原油価格は上昇ペースを強め、今月初旬には、WTIが2014年11月以来の水準となる1バレル=70米ドル台に達しました。

今後のイランの動向次第では、中東情勢が緊迫化する可能性があることから、引き続き注視は必要ですが、イランのロウハニ大統領は、米国を除く5ヵ国との核合意は続けるとしており、市場でも、今回の発表内容がある程度織り込まれていたこともあり、今のところ冷静に受け止められている模様です。そのため今後は、イランの輸出減少を踏まえた原油の需給動向に注目が集まります。6月には、OPEC(石油輸出国機構)総会が予定されており、需給バランスの是正に向けて行なわれているOPEC加盟国とロシアなどによる協調減産について、2018年末である現行期限の延長の是非が議論されるとみられます。当面の原油価格は、中東情勢の行方と供給減少の可能性への関心が高まるなか、上振れしやすい展開が続くとみられます。

2月以降の金融市場では、インフレ加速や米金利上昇への警戒感の高まりなどから、米景気のみならず、新興国をはじめとした世界経済への影響が注視されています。原油価格の過度な上昇は、こうしたインフレ加速の誘引につながる可能性がありますが、一方で、堅調な推移は、エネルギー関連企業や資源国への恩恵が期待されます。そのため、原油価格が今後の世界景気にどのように影響を及ぼすかという点でも、市場の関心を集めるとみられます。

【図表】[左図]原油価格(WTI原油先物)の推移、[右図]原油価格と株価指数の推移グラフを拡大

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

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