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2018年5月11日

Vol.1349 トルコ・リラの下落阻止に向け動き出した
エルドアン大統領

トルコ・リラが最安値を更新するなか、5月9日に、エルドアン大統領が、通貨の下落について経済当局者らとの緊急協議を行ない、財政規律遵守や通貨安阻止に向けた措置などについての声明を出したことで、当局の今後の対応に注目が集まっています。

軟調な推移が続くトルコ・リラは、主要選挙の今年6月への前倒しが決定したことや、中央銀行による昨年12月以来となる利上げの決定などを受け、4月下旬に一時持ち直しの動きを見せました。しかし5月に入ると、米格付会社のスタンダード&プアーズが、経常赤字や財政赤字、インフレ率見通しの悪化に加え、トルコ・リラの不安定性の高まりなどを背景に、トルコの格下げを発表しました。加えて、4月のインフレ率が予想を上回る水準となったことを受け、投資家心理が再び悪化し、トルコ・リラは最安値を更新する展開となりました。また、足元の米長期金利の上昇などに伴ない、米ドル高が進んだことも、トルコ・リラの下げ幅を拡大させました。こうした事態を受け、エルドアン大統領は通貨安阻止に向けて動き出したとみられます。

エルドアン大統領は、これまで、選挙を意識した財政支出の拡大など景気浮揚策を繰り返し、財政赤字と経常赤字、インフレ率を悪化させてきただけでなく、中央銀行の金融引き締めに反対し、圧力をかけ続けてきました。そのため、トルコのインフレ率は、中央銀行が目標とする5%±2ポイントを大きく上回っており、物価の安定という観点から積極的な金融引き締めが必要不可欠であるものの、中央銀行は積極的な利上げを行ないにくい状況が続いていました。しかし、今回の声明においては、中央銀行が通貨安阻止に向けた措置を行なう可能性が示唆されており、今後、大幅な金融引き締めが実施されれば、市場の評価が大きく変わるきっかけになると期待されます。一方で、通貨安阻止への対応が中途半端なものにとどまれば、トルコ・リラの売り圧力が一層強まる可能性もあり、引き続き注意が必要とみられます。

【図表】[左図]トルコ・リラと物価の推移、[右図]トルコの格付*の推移 グラフを拡大

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

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