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2018年5月21日

Vol.1356 改めて注目される豪州のインフラ投資
~アセット・リサイクリング~

5月8日、オーストラリア政府は、2018年度(2018年7月~2019年6月)の連邦予算案を発表しました。この中で、景気拡大などを背景に歳入拡大が見込まれることから、財政収支の黒字化がこれまでの計画より1年前倒しとなる2019年度に達成する見通しを示しました。また政策面では、更なる内需拡大をめざすため、所得税減税やインフラ投資拡大などに重点が置かれたものとなりました。

オーストラリアの予算案には、2014年度以降、“アセット・リサイクリング・イニシアティブ(ARI)”と題したインフラ投資に関する計画が明記されています。アセット・リサイクリングとは、公共のインフラ資産を民間事業者などに売却もしくは長期リースし、その収益で新たなインフラ整備を行なうことです。新たな借り入れなどを行なわずに新規のインフラ投資が可能であり、巨額の財政支出を抑えることができます。オーストラリアでは、予算案にARIを明記する以前からアセット・リサイクリングを行なっており、健全な財政を維持するための民営化の例として、インフラ投資の世界では評価されてきました。ARIよって、地方政府がアセット・リサイクリングを活用して新規インフラ投資を行なう際には、連邦政府が補助金を出すインセンティブが設けられました。2014-16年度の実績では、31事業以上のリサイクリング案件に対して、約31億豪ドルの連邦政府からの支援が行なわれ、211億豪ドル以上の新規インフラ投資につながりました*。また、連邦政府だけでなく、州・準州政府が補助金をだすケースも増えています。

民営化というと、サービス低下などが懸念されることがあります。しかし、多くのアセット・リサイクリングでは、長期投資を行なう年金基金が、インフラファンドの投資家になることで、フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)の目が民営化されたインフラ資産に向けられることから、サービス、安全性などの向上につながるともいわれています。また、インフラ資産をファンド化すれば、ファンドの収支は、各政府予算とは分けられて開示され、透明性も保たれます。

アセット・リサイクリングは、米国のトランプ大統領が掲げるインフラ政策での活用案が持ち上がるなど、再び注目されています。インフラ投資には多額の資金調達が必要になることが問題となりがちであり、アセット・リサイクリングの各国での活用が進めば、世界のインフラ投資を後押しすると期待されます。

*出所:内閣府

【図表】[左図]豪州の財政収支見通し、[右図]豪州のアセット・リサイクリングのスキーム グラフを拡大

※上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

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