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2018年5月23日

Vol.1358 原油価格が上昇基調となる中、
注目される6月のOPEC総会

5月8日、トランプ米大統領は、欧米など6ヵ国とイランが結んだ核合意からの離脱を表明するとともに、イランへの経済制裁の再開を決定しました。これを受け、イラン産原油の供給が減少するとの見方の拡がりなどから、原油価格は一段と上昇し、WTI原油先物は、5月21日に、終値ベースで2014年11月以来となる1バレル=72米ドル台を付けました。

OPEC(石油輸出国機構)加盟国とロシアなどの非加盟産油国は、2014年以降に積み上がった原油供給のだぶつきを解消することをめざし、2017年1月から協調減産を開始しています。協調減産の順守状況を点検するために設置された監視委員会(JMMC)の報告によると、2018年3月の産油国の減産順守率は149%と過去最高に達しました。これは、サウジアラビアなどの主要産油国が減産姿勢を堅持しているほか、政情不安などを背景にベネズエラの生産量が大きく落ち込んでいることが背景にあると考えられます。そして、足元では、米国がイランへの経済制裁再開を決定したことにより、原油供給がさらに抑制されるとの見方が拡がり、原油価格が一段と上昇する状況となりました。

このような中、市場で注目されているのが、6月22日にウィーンで開催予定のOPEC総会です。同総会では、足元の市場動向などを踏まえ、減産の実施期間(現状2018年末まで)の見直しなどが検討される予定です。ただし、OPECの盟主サウジアラビアは、経済改革を推し進めるために資金が必要なことなどから、原油価格をさらに押し上げたい意向がある一方で、イランは60~65米ドルを適正とし、原油価格の一段の上昇に反対の立場を表明するなど、足元ではOPEC内で意見が対立している模様です。さらに、OPEC全体の生産量が抑制される中、米国での原油増産が続いていることなどを受け、OPEC主要国が市場シェアの縮小を警戒し、減産幅の縮小に動く可能性があるとの見方もあります。原油価格50米ドル前後が米シェール企業の採算ラインと言われる中、足元の価格上昇などを追い風に、米国の原油生産量は最高水準で推移しており、近い将来、現在、生産量2位のサウジアラビア、同1位のロシアを抜き、世界最大の原油生産国となる可能性がでています。

原油価格は、産油国だけでなく、需要国にとっても、物価や貿易収支などを通じて、経済成長に大きな影響を及ぼします。こうした意味でも、米国のイランへの経済制裁再開の行方とともに、OPEC総会の動向について、市場の注目はしばらく続くと考えられます。

【図表】[左図]OPEC加盟国の産油量の減産開始月との比較、[右上図]米国の原油生産量と油田向けリグ稼働数、[右下図]WTI原油先物価格(1バレル当たり) グラフを拡大

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