Raku Yomi 楽読(ラクヨミ)

楽しく、楽に読めるマーケットで話題のトピック(不定期)


2018年5月30日

Vol.1363 イタリア政局の混乱をきっかけとした
金融市場の動揺

イタリアの総選挙から約2ヵ月半が経過し、次期首相に法学者のコンテ氏が指名されたものの、同国大統領が組閣案を拒否したことで、再選挙の可能性が高まりました。そのため、同国の政治リスク再燃とともに、ユーロ圏からの離脱が懸念されたことで、イタリア国債の利回りが急上昇し、ユーロが下落するなど、金融市場の動揺につながりました。

3月のイタリア総選挙では、国内の景気低迷や経済格差などを背景に、ポピュリズム(大衆迎合主義)政党「五つ星運動」が第1党となったものの、どの政党も過半数の議席には届かなかったことから、連立協議が続けられてきました。そうしたなか、五つ星運動と反移民を掲げる極右政党「同盟」(以下「両党」)による連立協議がまとまり、大統領は次期首相に両党が推薦したコンテ氏を指名しましたが、その後、ユーロに批判的なサボナ氏を財務相に充てるコンテ氏の組閣案を拒否し、新たにIMF(国際通貨基金)元高官のコッタレッリ氏を暫定首相に指名しました。そのため、あわせて過半数の議席を握る両党が激しく反発し、暫定政府が同国議会で信任を受けられないとの見方から、早ければ7月下旬~8月に再選挙が行なわれるとの観測が高まりました。さらに前回選挙時より同盟の支持率が上昇し、五つ星運動も前回選挙時と同程度を保っているとの調査結果もあり、もし両党が選挙で大勝すれば、ユーロ離脱につながる可能性が材料視されています。

ただし、ユーロ離脱について、両党は賛成の立場であるものの、同国では国際条約破棄のためには、上下両院での2回の可決(2回目は3分の2以上の賛成)など複雑な手続きを経て憲法改正を行なう必要があり、議会で3分の2以上の議席を獲得しなければ、政権が離脱を進められる可能性は低いとみられます。実際、両党の政策合意文書では、所得税減税やVAT(付加価値税)税率引き上げの回避など、ばらまき的な経済政策が盛り込まれているものの、ユーロ離脱は掲げられていません。

そのため、ユーロ離脱手続きのハードルの高さを踏まえれば、両党は経済政策の推進をまずは優先すると考えられます。当面は同国政治に対する先行き不透明感や財政悪化懸念などから、不安定な展開が続く可能性があるものの、市場でイタリアのユーロ離脱の難しさが織り込まれるにつれて、落ち着きを取り戻すと期待されます。

【図表】イタリアの長期金利とユーロの推移

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

  • 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。