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2018年6月1日

Vol.1365 ストライキに大きく揺さぶられたブラジル
~10月に選挙を控え、不安定な状況が続く~

ブラジルでは、燃料価格の高騰に抗議するトラック運送業者らが5月21日に始めた大規模ストライキの影響が懸念され、28日にかけて株価が下落したほか、ブラジル・レアルも28日に急落しました。同ストライキは29日以降、終息に向かっている模様ながら、他業界にストライキが波及していく場合などには、景気や財政に影響が及ぶことも考えられます。

同国では、ルセフ前政権などでの燃料の価格統制が財政赤字拡大の一因となっていましたが、国営石油会社が昨年7月、国際原油市況や為替の変動などに応じて燃料価格を毎日決める制度を導入したほか、テメル現政権は財政健全化に向け、燃料税を引き上げました。そして、このところの国際原油市況の上昇やブラジル・レアル安などを背景とした軽油価格の高騰を受け、トラック運送業者らがストライキに入ると、交通や物流に支障が生じ、生鮮食品や燃料などの不足、自動車生産などの工業や農畜産業、公共サービスの混乱につながるなど、影響が大きく拡がりました。こうした事態を受け、国営石油会社および政府は、軽油価格の引き下げ、燃料税額の実質的な免除、さらに、軽油価格の見直し間隔の変更(毎日→最低30日)などの対応策を23日から27日にかけて示しました。トラック運送業者の主要団体がこうした対応策を順次、受け入れたことから、29日以降、ストライキは徐々に解除されています。ただし、その一方で、30日には、国営石油会社の労働組合が、テメル政権に近い経営陣の交代などを求め、72時間のストライキに入りました。

29日に実施された世論調査では、トラック運送業者らのストライキに約87%もの支持が集まり、国民の間での政治不信の強さが裏付けられることとなりました。10月に大統領選挙および議会選挙を控え、政治的な思惑が働き易いという事情もあり、今後、他業界でのストライキの発生など、実力行使が拡がる場合に、今回のような対応が繰り返されることとなれば、景気への影響や財政負担の拡大につながるだけに、市場が再度、動揺することも考えられます。また、選挙戦などにも影響が及ぶ可能性もあり、選挙の行方はもちろん、新政権の下での財政健全化改革の行方なども注目されます。

【図表】[左図]ブラジル・レアルと原油価格の推移、[右図]ブラジルの主要指標の推移グラフを拡大

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