Raku Yomi 楽読(ラクヨミ)

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2018年6月5日

Vol.1366 消費大国から製造強国をめざす中国
~注目されるサービス用ロボット市場~

5月23日、日本ロボット工業会は、2017年の日本の産業用ロボット受注額が、前年比+27.8%の9,447億円と、11年ぶりに過去最高を更新したことを発表しました。人手不足、人件費高騰などを背景に、世界的に工場の自動化が進む中、中国向け輸出が前年比5割増しとなったことが、受注額を押し上げる背景となりました。

産業用ロボットメーカーにとって、中国はいまや世界一の市場規模となっており、今後も、中国市場は拡大するとみられています。国際ロボット連盟の予測では、2020年までに世界全体に占める中国での販売比率は40%まで高まる見通しです。ただし、中国のロボット産業が世界的に強いというわけではありません。現在、世界の産業用ロボット市場では、4強と言われるファナック(日本)、安川電機(日本)、ABB(スイス)、クーカ(ドイツ)の実力が抜きん出ており、高いシェアを握っています。しかしながら、「中国製造2025」で、ロボット産業が最重要産業のひとつとして位置付けられるなど、国家戦略としてロボット産業の育成が進められる中、今後は中国企業の追い上げが注目されます。2016年、中国の大手家電メーカーである美的集団(ミデア・グループ)は、工場の自動化を目的として、クーカの買収を発表しました。ドイツの老舗産業用ロボットメーカーであるクーカは、「インダストリー4.0」(ドイツ政府が主導し、産官学共同で進めている国家プロジェクト)の旗手と言われていることから、ミデア・グループによるクーカ買収は、中国版「インダストリー4.0」と称される「中国製造2025」を実現するための布石として大きな話題となりました。今後は、クーカのロボット技術を取り入れた形で、ミデア・グループがどのようにロボット市場で存在感を示していくかが注目されます。

そして、足元では産業用ロボットがロボット市場全体のけん引役となっているものの、少子高齢化の加速や医療・教育ニーズの高まりなどを受け、中長期的にはサービス用ロボット(工場の外で使用されるロボット)が、産業用ロボットの市場を上回る規模まで拡大するとみられています。同分野において、世界的なリーディングカンパニーは今のところみられませんが、AI(人工知能)技術や顔認証技術などを得意とする中国企業が、政府からの支援や、自国に巨大な市場を抱えていることなどを武器に、サービス用ロボット市場で存在感を増す可能性があると考えられます。2017年、中国科学技術省は、国家レベルの次世代AI開放・革新の4つのプラットフォームを発表し、「アリババ」「バイドゥ」「テンセント」「アイフライテック」を、各分野育成のリーダー企業として、それぞれ任命しました。こうしたことを踏まえると、成長産業として期待されているロボットの分野において、今後、魅力的な投資機会を捉えていく意味でも、中国企業の技術力の向上やロボット市場でのシェア獲得の行方などについて、今後一層、注目すべきと考えられます。

【図表】[左図]世界のサービス用ロボットの市場規模予想、[右図]中国の次世代AI開放・革新プラットフォームグラフを拡大

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