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2018年6月15日

Vol.1372 金融ジェロントロジーと資産運用
~資産寿命をのばすには~

日本は2025年に人口の約3割が65歳以上となる超高齢化社会を迎えるとされ、それに伴なう影響は医療や福祉だけでなく、経済や文化など広範囲にわたります。こうしたなか、課題解決のために高齢化社会を学問的に捉えるジェロントロジー(老年学)への関心が高まっています。特に最近では、金融ジェロントロジーと呼ばれる、高齢化に伴なって発生する経済や金融などの課題を研究する分野が注目されています。

金融ジェロントロジーでは、平均寿命と資産寿命(資金面の制約なく生活できる期間)の差異を可能な限り縮めることが重要とされています。日本では、退職時に退職金を一括して受け取ることが多く、個人金融資産の3割弱が70歳以上の世帯にあるとされます。しかも、その多くはリターンが極めて少ない預貯金となっています。「人生100年時代」を考えれば、預貯金を投資に振り向けることによって、生活資金を確保しつつ、資産寿命をのばす必要があります。そのためには、退職後の長い期間を活用した「長期投資」や、投資信託などを活用して内外の株式や債券などに投資する「分散投資」、投資タイミングをあまり気にしないですむ「積立投資」を組み合わせて、リスクを抑制しながら、金融資産から収益を得ることが良策といえます。

一般に、日本人は元本確保への意識が強い傾向にあるほか、金融商品に関する知識も不足しているといわれます。こうしたことから、退職金が運用されずに取り崩され、資金が少なくなって慌てることがあります。例えば、大卒・総合職の標準的な退職金額である約2,400万円を、運用を行なわずに毎月15万円取り崩した場合、約13年でゼロになってしまいます(下記A)。65歳から取り崩したとしてもまだ78歳で、平均余命(65歳、男性19.6年、女性24.4年、平成28年)まで時間があります。一方、資産運用を行ないながら同金額を取り崩した場合、運用の開始時期や商品などによって異なるものの、資産寿命の延長が期待できます。過去データでシミュレーションしてみると、日本のバブル相場崩壊後の90年1月末に「日本株式、日本債券、先進国株式、先進国債券」へ均等投資したバランスファンドへ一括投資し、その後、毎月15万円ずつ取り崩した場合、残高がゼロになるのは約18年後となりました(下記B)。さらに、バランスファンドへ当初5年間かけて積立投資を行なってから取り崩した場合は、資産寿命の延長がより期待できる結果となりました(下記C) 。

このように、将来の資金枯渇を避けるため、資産運用は有効とみられますが、高齢期には認知機能が低下する可能性が誰にもあることなどから、リタイア後、早めに計画的な資産運用を行なうことが望まれます。

【図表】退職金の運用と取り崩しのシミュレーショングラフを拡大

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

※上記はシミュレーションであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

  • 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
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