Raku Yomi 楽読(ラクヨミ)

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2018年6月15日

Vol.1373 利上げなのに?利上げだから?
足元で上昇基調となる米国REIT

米国REITは足元で上昇基調となっています。2018年の動きを振り返ると、2月上旬にかけて、米長期金利が急上昇したことなどが嫌気され、米国REITは大きく下落しました。長期金利が急上昇した背景としては、米経済の堅調さを示す指標が相次いだこと、そして、FRB(米連邦準備制度理事会)が1月のFOMC(米連邦公開市場委員会)において物価判断を引き上げ、利上げを継続するとの方針を強調したこと、さらには、米雇用統計において、平均時給の伸び率が高水準となったことなどが挙げられます。しかしながら、原油価格の上昇などを背景に米長期金利が一段高となる場面もあったものの、上昇一服感がみられる中、REIT各社の決算が良好だったことなどを受け、米国REITは上昇基調に転じました。

米国では、経済の堅調さを背景に、欧州や日本など他の先進国に先んじて金融政策の正常化が進められています。2015年12月の政策金利の引き上げ以降、米国ではこれまで合計7回の利上げが行なわれました。そして、市場では、幾度となく、利上げペースを巡る警戒感などから長期金利が急上昇し、それに伴なう投資家心理の悪化から、REITが大きく下落する場面がみられました。しかしながら、長期金利の急上昇が一服し、投資家心理が改善すると、REITは買い戻されるといった展開が繰り返されています。これは、足元の金利上昇が実体経済の堅調さに裏づけられたものであり、市場が落ち着くと、景気拡大の継続がREITの収益成長への大きな原動力になると、改めて認識されるためと考えられます。また、バリュエーション面で割安感があることから、下値余地が限定的とみられることなども、REITの買戻しを促す要因になっていると考えられます。

6月13日、FRBは、FOMCにおいて、今年2度目となる利上げを決定しました。そして、2018年の利上げ予測について、失業率の低下や、インフレ率が従来の見通しよりも速いペースで上昇していることなどを背景に上方修正し、通年で4回(年内で残り2回)としました。S&P米国REIT指数(米ドルベース、トータルリターン)は、利上げ発表当日は前日比▲1.7%と下落したものの、翌日は+1.0%と反発しました。今回、FOMCにおいて利上げ見通しが引き上げられたにもかかわらず、比較的市場が落ち着いているのは、2019年に向けて利上げが最終局面にあるのではないかとの見方が拡がったためと考えられます。年内に残り2回の利上げと、2019年前半に1~2回の利上げが行なわれれば、政策金利は、景気を刺激も抑制もしない中立金利(FOMC参加者の想定の中間値は2.9%)に近づくことから、今回の利上げサイクルが終わる可能性が想定されます。こうした見通しが、買い安心感につながるようであれば、米国の景気拡大を背景とした不動産ファンダメンタルズ(賃料や稼働率)の改善などに後押しされ、米国REITの上昇基調は続くものと期待されます。

【図表】[左図]米国REITおよび米国の各金利の推移、[右図]米国のGDP成長率グラフを拡大

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