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2018年6月26日

Vol.1376 貿易摩擦懸念で動揺した先進国株式

先進国株式市場は、昨年は堅調な推移が続いたものの、今年2月以降は不安定となり、足元では米中貿易摩擦への懸念が再燃したことなどから、軟調な展開となっています。

6月中旬に、米国が中国に対し、知的財産権侵害に対する制裁措置として、輸入額500億米ドル相当の品目に関税を課すことを決定すると、中国側も報復措置を表明し、さらに米国は2,000億米ドル相当の中国からの輸入品に追加関税を課すと警告しました。またその後、米政権が、中国資本が25%以上の企業を対象に対米投資を制限する検討に入ったとの報道もあり、こうした米中間の貿易などを巡る攻防が、投資家心理の重しとなったことが、軟調の背景にあるとみられます。

日米欧の景気と金融政策をみると、米国については、大規模減税に後押しされた消費をけん引役に、景気は堅調に推移しています。こうしたなか、6月に政策金利が0.25ポイント引き上げられ、18年の利上げ見通しが年3回から年4回に上方修正されました。ただし、長期の金利見通しは維持されるなど緩やかな利上げが示唆されています。欧州については、昨年の堅調な経済成長後、貿易摩擦などに対する懸念から、企業景況感の悪化がみられますが、景気回復は続いています。こうしたなか、6月のECB(欧州中央銀行)理事会で資産買入れについて今年10月以降の縮小と12月末の終了が決定されました。しかし、物価が政策目標を下回っていることなどから、利上げのタイミングについては、少なくとも19年夏まで現行の金利水準が維持されることとなり、市場の安心感につながりました。日本については、堅調な輸出を背景に、景気は緩やかに回復している一方、物価上昇の勢いが鈍いことなどから、大規模金融緩和が継続されています。

今後、貿易摩擦問題がさらに激化した場合、世界の貿易や経済に対する悲観論が強まることが予想されるものの、足元の世界貿易(数量およびコンテナ処理量)は上昇基調が続いています。また、現時点での関税措置の対象となる輸入額は、GDPに占める割合が限定的なことに加え、仮に物価上昇や輸出減少がもたらされたとしても、日米欧の鈍い物価上昇率が加速し、景気を大きく減速させるほどの金融引き締めにはつながらないと考えられます。こうしたことなどから、短期的には株価の変動性が高まる可能性はあるものの、過度の悲観論は行き過ぎとみられ、中長期的には先進国株式は堅調に推移すると期待されます。

【図表】[左図]先進国株式(米ドルベース)の推移、[右図]世界の貿易数量とコンテナ処理量の推移グラフを拡大

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

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