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2018年7月26日

Vol.1394 エルドアン大統領の介入姿勢が強まるなか
中央銀行の独立性に懸念高まるトルコ

トルコ中央銀行は、7月24日に開催した金融政策決定会合で、国内需要の減速が鮮明になっているとして、景気に配慮する形で、政策金利(1週間物レポ金利)の据え置きを決定しました。

トルコのインフレ率は、中央銀行が目標とする5%±2%を大きく上回る水準で高止まっており、トルコ中央銀行は、インフレ抑制のため、5月に金融政策の枠組みの簡素化や政策金利の大幅な引き上げ、6月にも政策金利の引き上げを行ないました。しかし、直近6月のトルコのインフレ率は、5月から大きく悪化し、前年同月比で約15%と高い伸びを示しました。そのため、市場では、7月の会合で追加利上げが予想されていましたが、政策金利の据え置きが発表されたため、トルコ・リラへの売り圧力が強まり、一時、対米ドルで、前日比約4%下落する展開となりました。

トルコでは、6月の大統領選挙で再選を果たしたエルドアン大統領が、政策金利の引き上げをけん制する発言を続けているほか、中央銀行総裁の任期を5年間とした規定などを廃止し、正副総裁と政策委員を大統領が任命すると定めた大統領令を出すなど、介入姿勢を強めていることから、中央銀行の独立性が損なわれるとの懸念が高まっています。また、新政府の閣僚人事においても、市場からの信頼が厚かったシムシェキ副首相を解任した一方、経済政策の要となる新財務相に、娘婿を指名しており、財政・金融政策に大統領の意向が反映されやすい状況になりつつあります。そのような中、今回の会合で政策金利が据え置かれたことで、今後、エルドアン大統領の政治的な圧力により、中央銀行はインフレ抑制に向け、思い切った金融政策を打ち出すことが難しいと市場で受け止められたことが、トルコ・リラの下落につながったとみられます。高いインフレ率が続く一方で、2019年に予定される地方選挙に向け、エルドアン大統領は、景気浮揚に軸足を置いた財政政策を続ける可能性があることなどから、トルコ・リラの売り圧力は今後も強まりやすい状況にあり、引き続き注意が必要とみられます。

【図表】[左図]トルコ・リラとトルコのインフレ率の推移、[右図]トルコの主要金利の推移 グラフを拡大

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

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