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2018年8月6日

Vol.1398 米中摩擦という逆境をバネに
成長が見込まれる中国の半導体産業

貿易やハイテク分野における米中間の摩擦が続く中、米トランプ政権は今年4月、米企業に対し、中国通信機器大手企業との取引を7年間禁止する措置を決定しました。同社は基幹部品の多くを米国に頼っていることから、7月上旬に制裁が解除されるまで、事実上の業務停止に追い込まれました。こうした事態が中国に与えた衝撃は大きく、政府は足元で半導体の国産化を加速させる動きを見せています。

中国ではこれまで、世界最大とされる半導体需要のほとんどを輸入で賄っていたことから、政府は半導体の自給率を上げるべく、様々な取組みを行なってきました。14年には半導体振興策である「国家IC(集積回路)産業発展推進ガイドライン」が制定され、世界最高水準の半導体メーカーの育成や売上げ規模の拡大といった目標が設定されたほか、半導体産業を資金面で支援する1,200億元(約1.9兆円*)規模の公的基金が設立されました。また、翌15年に打ち出された「中国製造2025」では、20%程度であった半導体の自給率を、20年までに40%、30年までに75%に引き上げることが目標として掲げられています。こうした国を挙げての取組みにより、中国の半導体産業は近年、急激な成長を遂げました。半導体設備投資の急拡大によって生産拠点の建設や製造装置の導入が加速し、SEMI(国際半導体製造装置材料協会)の予測によると、中国の半導体製造装置市場は18年に前年比4割の成長を遂げ、台湾を抜いて世界2位となるのに続き、19年には韓国を追い越し世界最大規模となる見込みです。

こうした中、中国政府は、国内半導体産業のさらなる押上げをめざし、地方政府による補助金の交付や、政府調達の拡大といった施策を次々に実行しているほか、最大2,000億元(約3.2兆円*)規模となる新たな基金の設立を予定しているとの報道もあります。また、最近では中国の複数のIT大手企業などが半導体産業への投資や参入に意欲を見せており、これらの企業による強力な支援も期待されます。

中国の半導体産業には、最先端技術面での競争力不足や技術者不足に加え、海外企業買収時の各国政府による拒否の可能性など、課題も多く残されています。しかし、世界最大規模の需要を背景に、ニューエコノミーが牽引する質の高い経済成長をめざす中国政府の主導のもと、今後も着実な成長を遂げるものと考えられます。加えて、こうしたハイテク関連投資の活況が、引き続き中国景気の下支えになると期待されます。

*換算為替レート:1中国元=16.398円(2018年8月1日時点)

【図表】[左図]地域別半導体企業の設備投資額推移、[右図]地域別半導体製造装置市場(販売額)の推移

※上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

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