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2018年8月7日

Vol.1399 米国との関係悪化懸念の高まりから
安値を更新したトルコ・リラ

トルコでは、2018年6月の大統領選後の新政権の閣僚人事において、市場からの信頼が厚かったシムシェキ前副首相が起用されなかった一方、経済政策の要となる新財務相に、エルドアン大統領の娘婿が指名されるなど、大統領の意向が反映されやすい状況となっています。加えて、インフレ率が高止まる中、7月の金融政策決定会合において、市場予想に反し政策金利が据え置かれたことなどを受け、政治や中央銀行の独立性維持に対する懸念の高まりから、トルコ・リラの売り圧力が強まる場面が多くみられました。

そのような中、8月に入り、米財務省が、トルコで長期間拘束されている米国人牧師について、人権侵害が続いているとして、トルコ法相と内相2閣僚の米国内資産を凍結し、米国人との商取引を禁止するといった経済制裁の発動を発表しました。また、米通商代表部(USTR)も、トルコに適用する関税優遇制度を見直すことを明らかにしました。これを受け、トルコ政府は「敵対的な態度」と米国を非難し、「米国と同様の手段で報復を行なう」と警告したことなどから、米国との関係悪化への懸念が高まり、トルコ・リラは大きく下落しました。この事態に、トルコ・リラの防衛策として、中央銀行は6日、市中銀行が中央銀行に預け入れる外貨準備率の上限を従来の45%から40%に引き下げると発表しました。しかし、市場において、通貨防衛には不十分と失望感が広がったほか、エルドアン大統領の圧力を背景に、中央銀行が思い切った金融政策を打ち出すことが難しい状況にあると受け止められ、トルコ・リラは一層売り込まれる展開となり、対米ドルで一時1米ドル=5.42リラ台まで下げ、過去最安値を更新しました。

その後、米国人牧師の拘束や、制裁措置についての協議のため、トルコ政府の代表団が、近日中に米国を訪問するとの報道を受け、足元でトルコ・リラは下げ止まりをみせています。この会談がうまくまとまれば、トルコ・リラの持ち直しにつながると期待される一方、決裂する事態となれば、再びトルコ・リラの売り圧力が強まるとみられるため、引き続き注意が必要です。

【図表】[左図]トルコ・リラとトルコのインフレ率の推移、[右図]トルコの主要金利の推移 グラフを拡大

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

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