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2018年8月13日

Vol.1403 トルコ・リラの急落を受け、投資家はリスク回避へ
~選挙を控えて譲れない、トルコと米国の大統領~

トルコ・リラは、エルドアン大統領の政権運営への不信感や、独立性が危ぶまれている中央銀行の金融政策の先行き不透明感などを背景に下落傾向となっていたところに、今月、対米関係の著しい悪化が加わり、急落しました。リラ安の影響は従来、大幅な経常赤字や対米関係の悪化といった、トルコと同様の問題を抱える一部の新興国に限られていましたが、リラの急落を受け、投資家のリスク回避の動きが拡がり、世界に波及しつつあります。

トルコは、2016年7月に同国で起きたクーデター未遂事件に関係したとして、約2年にわたって拘束してきた米国人牧師を先月、自宅軟禁に移しました。これに対し、トランプ米大統領は、同氏の無実を主張し、即時解放を要求したものの、トルコ側がこれに応じなかったため、今月初めにトルコの関係閣僚に対する資産凍結などの制裁を発動しました。その後、トルコ政府の代表団が渡米し、関係修復への期待が拡がったものの、米国側は10日、3月に導入した鉄鋼・アルミニウムの輸入関税の税率を、トルコについては倍にするとの追加制裁を発表しました。これに対し、トルコ側が対抗姿勢を示すなど、両国関係は悪化の一途を辿っています。こうした背景には、今年11月に米国で中間選挙、来年3月にはトルコで地方選挙がそれぞれ控えており、両国の政権とも、相手の要求を容易に受け入れられないどころか、むしろ、有権者の支持につながる強気の姿勢を貫きたいという、政治的な思惑が考えられます。

また、英経済紙は先週10日、トルコへの資金の主な貸し手とされる、スペインやイタリア、フランスの大手銀行について、欧州金融当局がトルコ・リラ安の影響を懸念していると報じました。これに伴ない、欧州の金融株に加え、スペインやイタリアなどの国債、さらに、ユーロが売られました。こうした中、投資家のリスク回避の動きが拡がり、米国株式も下落した一方、ドイツや米国の国債、円などが買われました。さらに、週明け13日には、アジアの株式相場が全面安となっています。

なお、リラは13日のアジア市場で対米ドルでの最安値を更新したものの、トルコ当局が銀行のスワップ取引の制限などを打ち出すと、下げ幅を縮めました。ただし、リラ安への対応として十分とは考えられず、政府や中央銀行などからの追加の対応の有無や内容が注目されるほか、トルコに対する米国側の姿勢も注視する必要があります。

【図表】[左図]主要通貨(対米ドル)の騰落率、[右図]トルコ・リラとユーロ、日本円の推移(対米ドル)

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