Raku Yomi 楽読(ラクヨミ)

楽しく、楽に読めるマーケットで話題のトピック(不定期)


2018年8月15日

Vol.1405 再利用ロケットの実現で期待される価格破壊
~「宇宙先進国」米国を中心に進むベンチャーの挑戦~

2018年2月、米国の宇宙開発ベンチャーは、再利用可能な大型ロケットの打ち上げに成功しました。同ベンチャーは、すでに昨年に、打ち上げロケットの再利用について史上初となる成功を収めていました。しかしながら、今回新たに開発されたロケットは、前回のものと比べて運搬能力が格段に高く(大型旅客機の約18機分の打ち上げ推力をもつ)、アポロ計画に使用されたロケット以降で最大級と言われています。また、一番の競争相手とされる企業の大型ロケットと比べて、2倍以上の重量を約3分の1のコストで運搬することが可能とみられ、実用化が進めば、商業用の大型衛星や国家安全保障関連の機器の運搬など、宇宙輸送の分野で価格破壊が起きると見込まれます。

再利用という発想は、昔から存在しており、例えば、NASA(米航空宇宙局)では、宇宙船などの一部を再利用するスペースシャトルを運用していました。しかしながら、安全対策にかかる費用や保守費用などがかさむことから、再利用の方法を模索するよりも、使い捨てロケットを打ち上げる方が重視されるようになりました。このような中、再利用ロケットの実現に向けて風穴を開けたのが、米国の宇宙開発ベンチャーでした。

振り返ると、「宇宙先進国」の米国では、2010年にオバマ大統領(当時)が「国家宇宙政策」を発表したことがきっかけとなり、宇宙産業の育成に力が注がれるようになりました。スペースシャトルが2011年に引退した後、国際宇宙ステーション(ISS)への輸送手段は民営化路線に転換され、2012年には、宇宙開発ベンチャーが民間企業としてはじめてISSへの物資補給ミッションを成功させました。こうした中、「2015年宇宙法」の成立に伴ない、営利目的で、小惑星や月などの探査・採掘・利用・販売をすることが認められ、民間企業の宇宙ビジネスへの参入に弾みがつくこととなりました。ここ数年では、異業種、特に、ビジネスの親和性の高さなどから、名だたる大手IT企業が宇宙ビジネスへの参入や投資を行なっており、今後のビジネス拡大の原動力となることが期待されています。

これまで、既存の宇宙開発大手は、価格というよりは、打ち上げ成功率の高さで信頼を得てきました。しかしながら、今後は、成功率はもちろん、価格競争力が一段と求められる時代になるでしょう。そして、宇宙輸送の分野で価格破壊が一段と進めば、宇宙ビジネスに参入する企業や起業家もさらに増えていくとみられ、私たちが、宇宙ビジネスから恩恵を受ける機会がより増えていくと考えられます。

【図表】[左図]宇宙関連の起業に対する投資額(期間累計)、[右図]宇宙関連の起業に対する投資家数(期間累計)の内訳 グラフを拡大

※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

  • 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。