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2018年8月17日

Vol.1406 堅調な経済や金融政策などが
インドネシアルピアを支えると期待

米国の金利上昇や米政権の保護貿易主義的な政策など、年初来、新興国通貨に対する逆風は強まっています。さらに足元では、トルコリラの急落が他の新興国通貨にも波及する展開となりました。そうした中、インドネシアルピアも軟調に推移しているものの、他の新興国通貨と比較すると、ルピアの下落は限定的なものとなっています。

こうした背景の一つに、インドネシアの中央銀行による、通貨防衛に向けた断固とした姿勢があると考えられます。同行は為替介入によって継続的にルピアの買い支えを行なっているほか、5月から6月にかけて3回、計1%の利上げを実施しました。その後7月には一旦金利を据え置いたものの、8月15日の会合では、外部環境の悪化を受けて再び0.25%の利上げを決定し、金融引締めの姿勢を継続することを表明しました。

また、インドネシアのファンダメンタルズに目を向けると、今年4月には、外貨準備の積み上げなどを理由に、大手格付会社のムーディーズが同国の自国通貨建ておよび外貨建て長期債の信用格付を、Baa2(トリプルBに相当)へと1段階引き上げました。さらに4-6月期のGDP成長率は内需の力強い伸びに牽引され、前年同期比+5.3%と、1-3月期から加速しているほか、今後も個人消費の拡大や堅調なインフラ投資などを背景に、5%を超える成長が予想されています。一方、同国の懸念材料である経常収支の赤字は、輸入に依存している原油の価格上昇などから近年拡大傾向にあるものの、一般に危険水準とされるGDP比3%を下回っています。さらに、政府は8月に入り、国内で製造可能な一部の消費財への輸入関税の賦課や、ディーゼル燃料に対する20%の国産バイオ燃料の混合義務付けなど、輸入の抑制によって経常収支の改善を図る方針を打ち出しています。こうした政府の姿勢は、規制強化や保護主義化などへの懸念はあるものの、対外バランスの是正への取り組みという観点から、市場からの一定の信頼につながるものとみられます。

米中貿易摩擦の激化や米国の利上げといった外部環境の悪化に加え、投資家のリスク回避による円買いなどの動きは引き続きルピアの重石になるとみられます。また、来年4月に予定されるインドネシアの大統領選挙の動向にも注意が必要です。しかし、外貨準備の増加により、同国の対外的なショックに対する耐性は従来に比べて高まっているとみられるほか、良好なファンダメンタルズや堅実な政策運営、中央銀行の断固とした通貨防衛の姿勢などが、引き続きルピアの下支えになると見込まれます。

【図表】[左図]インドネシアルピアと政策金利の推移、[右図上]主要な新興国通貨の下落率(対円)、[右図下]インドネシアの経常収支(対GDP比) グラフを拡大

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

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