Raku Yomi 楽読(ラクヨミ)

楽しく、楽に読めるマーケットで話題のトピック(不定期)


2018年9月4日

Vol.1413 軟調に推移する金価格
~米中貿易摩擦の激化で反発の可能性も~

足元で、金価格の軟調な推移が続いています。

2018年初以降、米国の雇用市場の活況を受けた米長期金利の急上昇や、米中貿易摩擦の激化懸念などを背景に、投資家心理が悪化したことなどから金が買われ、金価格は高値水準で推移しました。しかし4月末以降は、米国経済の堅調を背景に米ドル高が進んだことや、米中貿易摩擦への懸念が幾分後退したことなどから、金価格は軟調となりました。8月に、トルコ・リラが急落し、トルコ向け融資の多い欧州の銀行への影響が懸念され、ユーロ安・ドル高が進んだことが、金価格の下落に拍車をかけ、金価格は、およそ1年半ぶりに1トロイオンス=1,200米ドルを割り込む展開となりました。

金は実物資産で、それ自体に価値があり、価格は変動するものの、価値がゼロにならないことから、投資家のリスク回避の動きが強まると、資金の逃避先として買われる傾向にあります。しかし足元で、米中貿易摩擦などにより金融市場が軟調となる場面では、金ではなく、米国債や米ドルへ資金が向かいやすくなっています。その要因として、米金利の先高観を背景に、金利のつかない金の投資魅力が薄れたと判断されやすいほか、米ドル高が進んだことにより、米ドル建てで取引される金に割高感が出ていることが挙げられます。また、投資家のリスク回避姿勢が一頃ほど強くないこともあります。

こうしたなか、ロシアの中央銀行は、7月に今年最も多くの金の買い増しを行ないました。同国中央銀行は、外貨準備の多角化の一環として金の買い増しを進めており、この10年で保有量を約10倍に増加させています。また、トルコなど他の新興国でも同様の動きがみられており、金の底堅い需要につながっています。足元で、トランプ米大統領の対中制裁関税第3弾発動の言及を受け、米中貿易摩擦の激化に対する警戒感が強まりつつあります。今後、貿易摩擦の一段の激化や、世界経済への影響の表面化などにより、投資家のリスク回避姿勢が一層強まれば、ロシアなどの中央銀行の動きも相まって、実物資産である金に資金が向かうと予想されます。

【図表】[左図]金価格と米ドル(対円)の推移、[右図]各国中央銀行の金保有量の推移 グラフを拡大

(World Gold Council など信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

  • 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。