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2018年9月6日

Vol.1414 軟調が続く新興国株式
~米経済と政治が新興国のリスク要因に~

米国の金利上昇と強硬な通商政策の余波を受けて、今年の新興国株式は、先進国株式に比べて軟調となっています。

米経済は減税政策などを追い風に、好調が続いており、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策は引き締めスタンスが続いています。そのため、年初以降、米金利の上昇傾向が続いたことで、米ドルが他通貨に対して強含む展開となった一方で、米金利上昇や米ドル高が、新興国の米ドル建て債務を増加させ、利払いを困難にさせるとの懸念から、新興国から資金が流出し、株式や債券、通貨が売られました。また、トランプ政権の貿易政策により、米中の貿易摩擦懸念が高まったことで、新興国の貿易や経済も悪影響を受けるのではとの懸念が拡がりました。特に、経常収支が赤字で、米ドル建て債務が多く、国内政治に問題を抱えているアルゼンチンやトルコは資金流出に見舞われ、5月にアルゼンチンペソが、8月にはトルコリラが大きく下落したことで、投資家心理が悪化し、他の新興国通貨の下落にもつながりました。

新興国にとって向かい風が続いていますが、アルゼンチンやトルコは国内要因が多く、新興国全体に波及する可能性は低いとみられます。また、米国の金融政策について、パウエルFRB議長は、米景気への配慮から、利上げを急がない方針を示しており、米国の利上げが緩やかに進むならば、新興国からの資金流出も収まっていく可能性があります。こうしたなか、新興国の景況感については、総合PMIをみると、好不況の判断となる50を上回っており、景気が引き続き拡大局面にあることが示唆されています。個別国の18年4-6月期GDP成長率をみると、インドは2年ぶりの高成長となったほか、インドネシアは旺盛な消費により成長が続いており、メキシコは好調な製造業や建設業を背景に、堅調に推移しています。米中貿易摩擦問題については、世界経済への影響について注視が必要なものの、足元の株価下落によって先進国と比べて割安感がみられるなか、投資家心理が落ち着くにつれて、株価の持ち直しの動きにつながると期待されます。

【図表】[左図上]新興国株式と先進国株式の推移、[左図下]新興国総合PMIの推移、[右図上]新興国通貨(対米ドル)と米金利の推移、[右図下]予想PERとPBRの比較グラフを拡大

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

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