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2018年9月18日

Vol.1417 新大統領の下、期待に反して軟調な南ア・ランド
~景気後退や先行する政治的妥協が足かせに~

南アフリカの通貨ランドは、実業界出身で、反汚職や改革を掲げるラマポーザ氏の大統領就任見通しが強まった昨年12月以降、上昇し、大統領就任が実現した今年2月まで堅調となりました。しかし、その後は、米国の利上げ継続にとどまらず、対米関係の悪化を契機としたトルコ・リラの急落などを背景に新興国通貨売りが拡がる中、経常赤字などの従来からの弱みに加え、景気悪化や政策面での不透明感などもあり、ランドの軟調が目立っています。

同国では、ラマポーザ大統領の就任で一時、景況感が大きく改善したものの、天候不順の影響などもあり、今年4-6月期までGDP成長率が2四半期連続の前期比マイナスと、景気後退に陥り、財政状況も悪化が続いています。こうした中、格付会社ムーディーズが10月12日に予定している最新評価が注目されており、格下げされる場合、主要格付会社3社すべての評価が投資不適格となり、主要債券指数から同国が外されることになります。

また、政治面では、かつて白人に奪われた黒人の土地について、白人からの返還などを促す「土地改革」と、黒人による取得が厳しく制限されていた鉱山権益を保有する企業に対し、黒人株主の優遇などを求める「鉱業憲章」という、ともに黒人と白人との経済格差の是正に向けた政策の見直しの行方が注目されます。土地改革では従来、土地の収用に際して政府が一定の補償金を支払ってきましたが、成果が限定的なことなどから、改革の進展に向け、補償なしでの土地収用を可能とする憲法改正が目指されています。また、鉱業憲章については、内容強化の方針が示されています。いずれもズマ前政権下で打ち出されたものですが、来年の総選挙での勝利に向け、ラマポーザ大統領は与党ANC(アフリカ民族会議)内の融和や党勢の回復を優先し、これらの政策を引き継ぎました。ただし、補償なしの土地収用は財産権の侵害とみなされる可能性があるほか、鉱業憲章の強化は鉱山権益を保有する企業にとってコスト増加要因とみられるなど、産業界重視のラマポーザ氏の姿勢と矛盾する内容のままでは、企業の投資や海外から同国への直接投資の妨げになる恐れがあり、両政策を巡る今後の行方や評価が注目されます。

【図表】[左図]南アフリカのGDPと国際商品市況の推移、[右図]南アフリカの物価、金利、通貨の推移グラフを拡大

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