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2018年9月27日

Vol.1419 「デジタル・インディア」で活性化する
インドのフィンテックビジネス

フィンテック(最新の情報技術を利用した新たな金融サービス)分野が急成長している国として、特に注目を集めているのがインドです。世界4大会計事務所の一つ、EYがフィンテックについてまとめた「EY FinTech Adoption Index 2017」によると、インドのフィンテック導入率は5割を超え、中国に次ぐ世界2位となっています。背景には、国策としてインド政府が掲げる「デジタル・インディア」の後押しがあると考えられます。

インドでは、近年まで、銀行口座の利用率が著しく低く、金融サービスへアクセスできない人が多く存在する状況が続いていました。こうした状況を克服するため、2014年に発足したモディ政権は同年8月に「デジタル・インディア」計画を策定し、デジタル化による金融インフラの整備に取り組んでいます。その中核となっているのが、「アドハー」と称される国民IDシステムです。国民一人一人に固有の12桁の番号と、指紋や虹彩による生体認証をセットで登録するというもので、この番号と生体認証だけで口座開設ができるようになりました。

このアドハーを起点に、金融サービスの普及率を高める様々な取り組みが行なわれています。例えば、ATMの端末でキャッシュカードなしにアドハー認証だけで金融取引ができる仕組みや、中央銀行・銀行協会が提供するスマートフォンの決済アプリ「BHIM」上で、電話番号と銀行口座を紐づけたり、アドハー番号で受取人を指定することで、即時に決済できる仕組みが導入されています。アドハーはモディ政権下で急速に普及し、現在は9割程度の国民が登録しているとされ、フィンテックが拡がる地盤が整いつつあります。

また、政府は特定の州にフィンテック企業を集積する「フィンテックバレー構想」を掲げ、ベンチャーへの資金援助や海外企業・投資家の誘致を行なっています。実際に、インドのフィンテックビジネスには海外企業も注目しており、インドのQRコード決済大手「Paytm」には、アリババ(中国)やソフトバンクに加え、米著名投資家バフェット氏の投資会社が出資しているほか、米決済大手ペイパルもインドのフィンテックベンチャーに出資しています。また、米フェイスブックの子会社やグーグルもインドでモバイル決済サービスを展開しています。

このように、金融インフラの整備が遅れている状況から、一足飛びにフィンテックのような最先端の技術・サービスが拡がる、「リープフロッグ」(蛙飛び)と呼ばれる現象が起きつつあるなか、今後も「デジタル・インディア」の後押しを受け、インドのフィンテックビジネスのさらなる成長が期待されます。

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【図表】[左図]フィンテック利用率の上位5ヵ国、[右イメージ図]「デジタル・インディア」で展開されている決済サービスグラフを拡大

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