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2018年10月26日

Vol.1427 人民元相場は、1米ドル=7人民元を超えずに踏みとどまれるか

今年6月以降、人民元の下落基調が続いています。現在の人民元相場(対米ドル)は1米ドル=6.9人民元台での推移となっており、市場では、心理的な節目とされる7人民元を超える水準まで下落するかが注目されています。

6月以降の人民元の下落基調の背景としては、①米国において順調な景気拡大が続く中、利上げ観測の継続などを背景に、為替市場で米ドル高基調となったこと、②米中貿易摩擦が長期化する様相をみせる中、中国景気の減速懸念が強まったこと、③中国当局が米中貿易摩擦が激化した今年4月以降、輸出の下支えになることなどを理由に、人民元安を容認する向きがあったこと、などが挙げられます。

中国人民銀行(中央銀行)は、10月7日、市中銀行の預金準備率の引き下げを15日から実施することを発表しました。同決定は、デレバレッジ(債務削減)の影響で景気の減速感が強まる中、景気支援策のひとつとして打ち出されたものと考えられます。しかしながら、為替市場では、中国における、さらなる金融緩和が連想されたことなどから、国慶節の休場(10月1日~5日)明けとなる8日の人民元相場(対米ドル)は大幅下落しました。また、休場中に、強い米経済指標の発表を受けて米金利が上昇し米中金利差が縮小したことも、連休明けの大幅下落の背景となりました。その後も、10月18日に発表された中国の7-9月期GDP成長率が前年同期比+6.5%と市場予想を下回り、9年半ぶりの低い伸びとなるなど、景気先行き懸念が強まったことも一段の人民元安を誘いました。

今後については、米国において2019年にかけて利上げ継続が見込まれる一方、中国においては景気対策などから預金準備率の引き下げが見込まれるなど、米中金利差の縮小が見込まれることは、引き続き人民元安圧力となることが想定されます。しかしながら、中国政府は、足元でデレバレッジを軟化させる姿勢をみせているほか、減税などの一連の景気対策により、今後景気鈍化の速度は和らぐことが期待されます。また、もし仮に、この先米中に歩み寄りがみられ、貿易摩擦がこれ以上深刻化しないと市場で認識されるようになれば、安心感の拡がりとともに人民元が買い支えられるでしょう。足元で、当局は、これ以上の人民元安に歯止めをかけようとする動きをみせています。ただし、心理的な節目である7人民元を超えて人民元安が進むようであれば、先行きの不安感の強まりから、下落ペースが加速する可能性が考えられます。人民元安の加速は、投資家心理の悪化を通じて、新興国通貨の下落圧力になることも想定されることから、中国当局の対応を含め、今後の人民元相場の動向が注目されます。

【図表】人民元(対米ドル)の推移グラフを拡大

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