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2018年10月30日

Vol.1428 ブラジル大統領選挙でボルソナロ氏が勝利
~当面の注目は新閣僚などの顔ぶれ~

10月28日投開票のブラジル大統領選挙・決選投票では、元軍人で極右のボルソナロ下院議員が得票率55%と、左派・労働党のハダジ(アダジ)元サンパウロ市長に10ポイントの差をつけ、勝利しました。ボルソナロ氏は、今月7日の第1回投票や世論調査で優勢だったことから、今回の選挙結果は概ね市場の予想どおりで、29日には、米ドル高や米株安の影響などもあり、通貨レアル(対米ドル)、ボベスパ指数とも約2%の下落となりました。

少数政党・社会自由党(PSL)のボルソナロ氏は、既存勢力や既得権層に対する不信、治安悪化などへの不満が国民の間で強まる中、汚職が蔓延する既存の政治体制への批判などを繰り広げたほか、汚職や治安悪化への対策を訴え、支持を得ました。また、経済政策面では、市場重視を強調し、基本的に、テメル現政権の改革路線を継承する姿勢を示してきました。市場にとって、こうした経済政策は好材料とみられるものの、選挙結果が概ね予想どおりだったことを踏まえると、既にある程度の織り込みが進んでいるとも考えられます。また、新大統領の任期は来年1月1日からの4年間です。ただし、向こう数週間から数ヵ月の内に発表される、新閣僚などの顔ぶれには要注目です。財務相には、財政規律を重視し、市場で信頼の厚い経済学者パウロ・ゲデス氏を指名する方針が既に示されていますが、これに続いて明らかとなる布陣により、財政再建や国有企業の民営化、社会保障負担の軽減などを目指す姿勢が裏付けられれば、市場で好感されると期待されます。

なお、PSLは10月7日の議会選挙で下院第2党へと大躍進を遂げたものの、議席数は、全81議席の上院で4、全513議席の下院で52にとどまります。このため、多数派の形成には他党との連立・協力関係の構築が必要不可欠です。例えば、年金改革には憲法改正が必要で、上・下院で5分の3以上の賛成を要します。しかし、議会を構成する政党の数が、上院で21、下院で30に及ぶことに加え、他党からの協力取り付けにあたり、閣僚などのポストを差し出すことをボルソナロ氏が否定しているため、多数派の形成は容易でないとみられます。つまり、新政権が立ち上がっても、政策実現に向けたハードルは低くなく、政治面で不透明感が残る可能性があります。一方で、緩やかながら景気は持ち直しの方向にあるほか、物価上昇率が落ち着いており、経常赤字が減少するなど、経済ファンダメンタルズが改善していることなどは、通貨レアルを支える要因になると期待されます。

【図表】[左図]ブラジル・レアルと原油価格の推移、[右図]ブラジルの主要指標の推移グラフを拡大

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