Raku Yomi 楽読(ラクヨミ)

楽しく、楽に読めるマーケットで話題のトピック(不定期)


2018年11月22日

Vol.1438 日本の財政に対する
信頼性や安定性の確保が重要に

OECD(経済協力開発機構)によれば、主要国のGDPに対する政府総債務残高の比率(2017年時点)は、日本が224%となっており、米国の105%、イタリアの155%、ギリシャの185%を大きく上回り、主要国の中で、日本の財政の逼迫ぶりが目立っています。

それにもかかわらず、日本では、ユーロ圏やその周縁国の一部にみられた財政問題を懸念した金利上昇は生じていません。これは、日本の場合、他の主要国などと違い、国内の金融機関および国内の公的部門などが政府債務である国債の多くを保有しており、海外依存度が低いことが背景にあるとみられています。金融機関の国債購入の主な原資は家計の金融資産であり、2018年6月末時点で約970兆円(現金・預金)と家計の金融資産が豊富な日本では、国債の国内消化に不安が生じるリスクは低いと考えられています。また、2013年4月以降、日銀がデフレ脱却を目的に、大規模な金融緩和を実施し国債購入を継続していることや、2016年1月のマイナス金利の導入、さらに長短金利を誘導目標とする「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」に踏み切ったことなども国債消化の安定性につながっているとみられます。

しかしながら、今後、高齢化に伴なって、貯蓄する世代よりも貯蓄を取り崩す世代の比率が高まれば、家計の貯蓄率は低下することが予想されます。さらに、財政赤字体質がいつまでも解消されず借金の累積が続けば、政府の債務残高は民間の金融資産ではカバーできないほどになる可能性もあり、どこかの時点で、国債の国内消化が難しくなるかもしれません。こうしたことは、日本の財政に対する信頼性や安定性の低下につながりかねないことに加え、長期金利の上昇などの事態を招く可能性もあります。

今のところ、国債発行による政府の資金調達に大きな支障は生じていませんが、2019年10月に予定されている消費税率の引上げも含め、政府による財政健全化目標の達成に向けた取り組みなどがより一層注目されます。また、将来において、日銀による量的金融緩和の出口戦略に伴なう金利上昇リスクにも注意が必要とみられます。

【図表】主要国の政府総債務残高(対GDP比)の推移

※上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

  • 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。