Raku Yomi 楽読(ラクヨミ)

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2018年12月7日

Vol.1444 最近の株式市場の下落について
~世界景気の先行き懸念を反映~

米国の対中貿易政策や米景気の先行きが、世界的な景気減速につながるとの懸念を背景に、12月4日以降、日米の株式市場は軟調となりました。

12月1日の米中首脳会談で、米国による年明け以降の関税引き上げが猶予され、協議の継続が決まったことにより、米中貿易摩擦が和らぐとの期待が高まったものの、対中強硬派のライトハイザーUSTR(米通商代表部)代表が米中協議の責任者を務めることになったほか、トランプ大統領が、中国との協議で合意できなかった場合、制裁関税を拡大する方針を改めて示したことなどにより、協議が合意に至る可能性について懐疑的な見方が拡がりました。さらに、中国の通信機器最大手の副会長が米国の要請によりカナダで逮捕され、ハイテク分野を中心に米中貿易摩擦の激化懸念が再び高まりました。

また、米債券市場で、5年債の利回りが2年債を下回る「逆イールド」が起きたことにより、米景気に対する懸念が高まり、米国株式が下落したこともあります。逆イールドは一般的に、景気の堅調が続くなか、過熱を避けるために中央銀行が利上げを続けるうちに、景気が転換期を迎えて長期金利の上昇が鈍い場合に発生することがあります。米国では過去に、逆イールドが起きると、その後に景気が後退したという経験則があるため、今後の米景気を占ううえで金利動向が注目されていました。

米景気拡大は来年夏で戦後最長の10年に並びピークアウトが意識されやすいなか、減税など財政刺激策の効果が薄れ、2020年にかけて景気後退に陥るとの見方も一部にあります。そのうえ、米中の貿易摩擦は両国の覇権争いという側面もあり、簡単には解決しないとみられます。しかし、足元の米景気は個人消費を中心に好調を維持しており、米企業業績もハイテクや金融などを中心に堅調となっています。また、過去の逆イールドが発生した局面(00年前半や05年末頃)では、短期金利が4~5%あり、現在の2%後半とは金利水準が異なっているほか、その後の景気後退までは数年を要しています。こうしたことから、現在、米景気の後退が迫っている状況ではないとみられることに加え、今後、景気減速感が強まるようであれば、利上げペースが見直される可能性もあることなどから、株式市場は次第に落ち着きを取り戻すと期待されます。

【図表】[左図]日・米の株価指数と為替の推移、[右図]米・長短金利の推移グラフを拡大

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

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