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2019年1月7日

Vol.1448 世界で進行する5Gの商用化と中国の実力

世界で5G(第5世代移動通信システム)の商用化に向けた動きが加速しています。スマートフォンの普及で急増した無線通信のデータ量は、サービスの高度化・多様化に加え、IoT(モノのインターネット化)やM2M(機器間通信)などの登場で今後飛躍的に増えるとみられ、2020年代には10年比で千倍以上になるとされています。そうしたことから、超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続などを実現する5Gの早期実用化が各国で急がれています。

19年は「5G元年」と言われ、各国で対応デバイスの発売や、5Gサービスの実用化が本格的に開始される見込みです。先行する韓国では、18年2月の平昌オリンピックで5Gのデモが実施されたほか、19年3月には商用化の開始が計画されています。米国では、18年10月に世界初の固定通信向け5Gサービスが開始されたのを皮切りに、複数の通信会社が19年にかけてサービスを開始するとしています。日本では、20年の東京オリンピックを照準に本格的な商用サービスが開始される見込みです。こうした中、中国は20年の本格導入をめざしており、昨年12月に、実証実験に使用する周波数帯が通信大手3社に割り当てられました。このように、中国の状況は他国に比べて決して早いとは言えないものの、実は大きな優位性があります。

日本、米国、韓国など、5Gの早期導入をめざす国では、既存の4G設備を流用し、無線方式を拡張するNSA(ノンスタンドアロン)方式が採られる一方、中国では初めから5G技術を導入するSA(スタンドアロン)方式が採用されています。SA方式には時間とコストがかかるというデメリットがあるものの、中国では5Gの最大性能が当初から実現されることになります。また、通信規格の面でも、中国が以前から取り組んできたTDD(時分割複信)方式は、欧米で採用されているFDD(周波数分割複信)方式に通信効率で優ることから、5Gの主流となる見通しです。加えて中国では通信インフラ整備が急ピッチで進んでおり、基地局の数は既に米国の10倍を超えるとみられるなど、5Gを巡る巨額の設備投資は引き続き活況を呈すると見込まれています。

足元では、米中貿易摩擦や、5G市場から中国企業を締め出す動きなど、中国に対する逆風は強まっています。しかし、中国の5G契約数は25年に米国の2倍を超えて世界最大になるとみられるなど、その国内需要は莫大です。また、昨年12月の中央経済工作会議でも5G投資による内需拡大が打ち出されており、今後も政府の強力な後押しが期待されます。そうした中、世界でも、性能や価格面などで高い優位性を持つ中国勢の排除は経済合理性を欠くとの声も多く、5Gの本格的な普及に向けて引き続き中国の動向が注目されます。

【図表】[左図]5Gの特徴
、[右図]5G回線数の予測グラフを拡大

※上記は予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

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