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2019年2月8日

Vol.1459 中国の「社会融資総量」から
景気の先行きを占う

中国経済を見る上で注目される指標に、「社会融資総量」があります。これは中国人民銀行(中央銀行)が毎月半ば頃に発表している、「実体経済へのマネーの供給量」を示す中国独自の指標です。

マネーの供給量を表す一般的な指標には、M2があります。M2は現金通貨、預金通貨、準通貨、CD(譲渡性預金)で構成され、国内銀行などの預金の動向からマネーの供給量を測ろうとするものです。これに対して社会融資総量は、実体経済に供給される金額からマネーの供給量を測ろうとするものです。その対象は、大きく分けて、銀行融資(人民元建て融資、外貨建て融資)、オフバランス融資(信託融資、委託融資など)、直接融資(社債発行、株式発行、ノンバンク融資など)などがあります。これだけで実体経済の資金調達経路を全て押さえられる訳ではありませんが、代表的なチャネルが含まれており、特に銀行を介さないオフバランス融資、いわゆるシャドーバンキングを経由した資金供給を捉えていることから、シャドーバンキングの存在が大きい中国では、M2よりもマネーの供給量を測る上で適した指標と考えられています。

金融リスクの抑制を目的として、17年末から強化された政府によるデレバレッジ(債務削減)の取組みでは、不健全なものを多く含むと考えられるシャドーバンキングに対する規制が強化されました。その結果、オフバランス融資は減少に転じた一方、これらに頼っていた地方政府や中小企業は資金繰りが悪化し、インフラ投資の抑制や企業の倒産増加につながり、景気への下押し圧力が強まりました。

こうした状況に加え、米中貿易摩擦の激化といった外部環境の悪化を受けて、中国政府は18年夏以降、デレバレッジの取組みを緩和する方向にスタンスを変えました。また、預金準備率の引き下げや企業向け融資の促進、地方政府特別債券の発行時期前倒しなど、矢継ぎ早に打ち出された資金供給の拡大措置により、社会融資総量の伸び率低下は、足元でやや緩やかになっています。同伸び率は、固定資産投資やインフラ投資、製造業を中心とした上場企業の利益成長率などと関連性がみられることから、景気先行指標の一つと考えられています。同指標が政府の支援策などを背景に早期に反転し、景気の底打ちを示唆することが期待されます。

【図表】[左図]社会融資総量の内訳別推移(月次増減額)、[右図]社会融資総量の推移グラフを拡大

(CEICなど、信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

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