Raku Yomi 楽読(ラクヨミ)

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2019年3月11日

Vol.1466 金融緩和の出口戦略を修正した欧州中央銀行
~引き締めに消極的なハト派色を予想以上に強める~

ECB(欧州中央銀行)は3月7日の政策理事会で、政策金利を据え置いたものの、景気が減速し、物価の回復が遅れていることなどから、2021年にかけての経済見通しを下方修正しました。さらに、年内の利上げ開始を断念しただけでなく、9月以降、市中銀行に低利で資金供給を行なうTLTRO(貸出条件付き長期資金供給オペ)の再導入を決定しました。市場では、経済見通しの下方修正や資金供給策の検討開始などが予想されていたものの、ECBがより踏み込んだ決定を行なったことなどから、ユーロ圏の国債利回りが大きく低下したほか、ユーロが売られました。

ECBは政策金利について、従来、「少なくとも2019年夏まで据え置き」とのフォワードガイダンス(指針)を掲げてきましたが、今回、これを「少なくとも2019年末まで据え置き」に改めました。なお、ECBは2018年1月に金融緩和の出口戦略をスタートさせ、国債や社債などの資産買入れ策の規模縮小を開始し、同年末には資産買入れを終了させました。ただし、保有資産の残高を維持すべく、満期を迎えた債券の再投資を行なっています。この再投資は、利上げ開始後しばらく続ける方針となっているため、今回のフォワードガイダンスの変更に伴ない、少なくとも年内は継続される見通しとなりました。また、第3弾となるTLTROについては、詳細を今後詰めることになっているものの、今回の条件が償還期限2年、金利はリファイナンス金利となるのに対し、前回、2016、17年に実施されたTLTROの際には、償還期限4年、金利は一定の条件を満たせば中銀預金金利が適用されたのと比べ、条件が厳しいと捉えられたことなどから、発表を受けて銀行株が売られました。

経済見通しは、2019年こそ大きく下方修正されたものの、ECBが「ユーロ圏の景気鈍化は一時的」とみていることや今回の出口戦略の修正もあり、20、21年の引き下げは限定的でした。市場の読みに先行してECBが慎重な政策判断を下したことは、景況感などの押し上げを通じて、景気を支えると期待されます。

【図表】[左図]ECBの経済見通し、[右図]ユーロ圏の主要指標の推移グラフを拡大

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